最後。
60年以上前の文章ということで若い世代はマジに意味がわからない箇所多そう。払いさげとか。
記事終盤に登場するブルージンも誤植などでなくブルージーンズの表記揺れみたいなかんじです。稲垣潤一のブルージン・ピエロとかあったけど、さすがに今は死語というか。
上には何を着るべきか
派手な色のタータンチェックや、変な色のギンガムチェックを着るべからず、オリーブグリーンや白けた茶色や錆びた紺等、いわゆる自然色(ナチュラルカラー)を巧みに組合わしたインディア・マドラスのチェック、ナチュラルカラーの単色の縦ジマ横ジマのアイビーシャツ、オープンシャツ、Tシャツ、すべて自然のムード、土の香りでいきましよう。
縦ジマ横ジマのアイビーシャツ→タッターソールのボタンダウンシャツのことだと思われる(たぶん)。
このシャツ、ダブダブしていたのでは、せっかくのスリムなホワイト・リヴァイスが泣きます。細い人なら細いなりに、太い人なら太いなりに、身体にフィットしていることが大切、もしフィットしたシャツがないか、洗濯するひまがなくて、手許にダブダブのやつしかない時には、レコードジャケットのカッコいい男の子のように外にだしてシャツジャケット風に着流して、さりげなくポケットに手を突っこんで、風をきって歩きたいものです。
もし水虫かなんかで運動靴ではむれて困ってしまうという方はゾーリなどはかないで、今年あたりゴキゲンなサンダルが出まわることになっているから、それを一足愛用に及んではどうかな。こいつをこなす時は男性的な骨ばったくるぶしと逞しく浮きあがった静脈と、短めのスラックスからのぞいたもじゃもじゃと黒い毛とのコーラス。これこそ男性の魅力であるぞよ、おわかりかな?
頭髪もできるだけクールカット、スポーツカットにしたい。ホワイトリヴァイスのウォッシャブルな味と油っ気のないさっぱりしたウォッシャブルなチャコールグレイの髪と、焼けた肌の調和は考えても気持がいいではないか。べたべたして、ちりぢりテカテカ、鴉の濡れ羽色なんてのは、どうみてもいただけない。
フランスカットの男性が横行しているようであるが、日本の若者の頭は、堅くてまっすぐなのが多いから、余程自信のあるやわらかい毛の持主でないかぎり、ショートカットにしたいものだ。ショートカットでもコンチネンタル・ムードは表現できることを申しそえておきたい。
フランスカットが不明。文脈からするとショートカットではないことになるけどこんなかんじ?
余談になったが、その上に帽子を被る場合、サフィンハットと呼ばれるレコードジャケットの男の子が被っているようなもの、麦わらで作ったものでも、良いものがあれば結構、決して赤や青や…化学調味料を加えた帽子は被らないようにしてもらいたい。シャツがアイビーのボタンダウンなら、ホワイトジーンと同系色のアイビーのキャップを被るのもよろしい。
また、ホワイト・リヴァイスとお揃いのジャケットも出ている。このジャケット、ウエストレングスでぴったり身体にフィットするようにできており、ステッチのきかせ方も味がある。
この上着を着る時には同系色のナチュラルカラーのTシャツ、単色縞のTシャツ、それにもうひとつ生成(キナリ)色には、黒が素晴しいコントラストを見せることも忘れてはならない。
小さなところにけちけちしないで、ダイナミックで安上がりで、それでいて機能的で、スポーティで、シックなコットンのおしゃれは、これから夏の若者には、欠かせぬワード・ロープのひとつとなることでしょう。
去年あたり流行った白く漂白したけばけばしくて、ペラペラしたスラックスは、払いさげにすることにしましょう。
ガールフレンドのきこなしは
ここまで君の着こなしができあがれば、ガールフレンドにはどんなかっこうをさせたらよいか。まかしとき!リヴァイス社ではレディス・リヴァイなるものが出ている。これは男物と同じように前あきとなっている。
それなら男だってと、トランジスターボーイが着用に及ぼうとしても、それはだめである。
トランジスターボーイ →恐らく小柄な男性のこと(トランジスターグラマーから発想したライターさんの造語の可能性あり)
女物は前あきでも男の場合とは用途がちがうから半分しかあいていない、これでは男性たるもの用が足せないでしょう。おわかりかな?女ものもヒップハンガーにし、前あきにすることによってヒップラインがスマートになり、しわもきれいにでて、小股の切れあがったカッコいいお姐ちゃんができあがる。
カッコよくてスポーティな若いカップルは非常に健康的であり、じめじめした病的な環境があれば、どんどん明るくしちゃいましょう。
レッツ・ゴー・ヤング・ジェネレェイション!若さがあふれています。
「のっぽ物語」のトニー・パーキンス君のホワイト・ジーンのこなし方を見たまえ。相手役のジェーン・フォンダのカレッジ・ライクな着こなしを見たまえ。これですよ、これ…。
「ウエストサイド物語」のジーンと運動靴の組合せを見たまえ。青年のわんぱく小僧的魅力は、無気力な現代人に、フレッシュな刺激を与えることだろう。暗い喫茶店の中にとじこもっている暇があったら、太陽があたり、一面にその白い光をばらまく屋外で日光を吸収することだ。そして、スポーツをやることだ。公園も少なくなり、人間が多くなり、自動車が多くなり、高いビルが立ちならび、街中には危険が氾濫する。そんなの気にするな。僕らには若さがあるのだ。明るく行こうぜ、楽しく行こうぜ。
ドロンコになって、埃まみれになって、汗をかいて、ハードなタッチで色のあせたブルージン。かっこよく、モダンでシックなタッチ、ソフトなタッチ、運動靴でホワイト・ジーン。
ブルージンとホワイトジーンを巧みに使いこなして、若々しいヤング・ライフをエンジョイしよう!
(浜野安宏)
追記(2025/12/12):勝手に当方で入れた補足で浜野安宏さんをライターさん呼ばわりしてますが、経歴を見てもわかるように超マルチな方。失礼しました。
