私達夫婦がバタバタと過ごしているうち、世の中はすっかりクリスマス気分になっていた。
楽しいクリスマスを迎える人たちがたくさんいるんだろうなぁ…
などと思いながら、私は弁護士事務所で契約書にサインをしていた。
この問題が発覚した頃から、私にとって夫は”敵に回したくない人物”だった。
味方でいてくれる限り、こんなに心強い人はいないと思っていたし、実際その心強い力でそれまで家族が護られていたのはみんなも実感していたし感謝もしていた。
でも時々夫から聞く職場の話で、とっても可愛がっていた後輩のことをいつからか
「アイツはもうだめだな!」
と冷たく言い放つ言葉に変わっていき、その話の内容も、自分の思うようにならない相手は切るというニュアンスがびしびし伝わるようで
「あれ?私の知ってる夫が言う言葉じゃない」
と思う事が何度かあった。
後に夫婦の間でこんなトラブルになるなんて考えもしなかったから、夫とのこの先を考えるとゾッとする思いだった。
その頃の夫が多分思っていたこと…
「離婚は避けたい」
だって3人目の嫁だものね、あまり仲の良くない親族達からまた何を言われるか…
嫁としてみんな認めてくれてたものね、私のこと。
この歳で、某有名企業を退職後に4人目の嫁探しは、大変だものね。
かと言ってずっと一人で暮らすって、あなたには難しい事だものね。
となると、この闘いは相当なものになると予想がついた。
論点すり替えを得意技として、声は大きく、態度も荒い。
そうでなくても原因を作った側なのに全く平然としている夫に対しビクビクしている私。
…到底歯が立たない ![]()
いくつかの相談の後、ちょっと頼りない気がするが、気持ちを汲んでくれそうな離婚問題を主に扱う弁護士に依頼することに決めた。
調査会社が作ってくれた証拠写真を見て「おぅ立派だな~」と驚き、目を通した後に「勝てるな…」と言った独り言が聞こえて思わず笑ってしまったり…![]()
契約書を交わして「代理人」として存在してくれることが何より嬉しかった。
連絡をくれるな と言う夫からの連絡を待つだけの、落ち着かない毎日を私一人しかいない家で過ごしていた。
話す人もいない状態で過ごすという事は、良い方向に考えることなど一つも無く、この先私はどうなっていくのかという不安と、突然夫が帰宅するのではないかという不安に、だんだん気持ちが追い詰められていき、そのうち私は体調も悪くなっていき、心配してくれた娘の家でしばらく暮らすことになった。
段ボール数個に身の回りの物を詰め、迎えに来てくれた娘婿の車で家を出た。
目に入る賑やかな街は、私の精神状態には本当に辛かった。
こんな結末になるために私はここに来たわけじゃない…
そう思ったら悔しくて悔しくて、涙がずっと止まらなかった。