バックストリートボーイズのニックの弟で、歌手のアーロンカーターさん(34)が、抗不安薬アルプラゾラムを服用した後、浴槽で溺死したことが検死の結果明らかになりました。

 

検視報告書によると、死因は「溺死(できし)」で、「圧縮空気缶の推進剤としてよく使われる、可燃性ガスのジフルオロエタンを吸引したことと、抗不安薬のザナックスのジェネリックである、安定剤のアルプラゾラム」が原因であると伝えられています。

 

アルプラゾラムは医師から処方されたものでした。

 

「抗不安薬もしくは睡眠薬の初回処方から7.6年の追跡期間中における全死因死亡リスクは、これらの薬剤を使用しなかったマッチするコホートの3倍以上になることが、後ろ向きのマッチドコホート研究の結果として示された」

という報告がありますが、

(英Warwick大のScott Weich氏らが、BMJ誌電子版に2014年3月19日に報告)

 

 

 

2018年に愛媛大学と愛媛県警察医会で発表された「検死における向精神薬の統計的観察」でも、ベンゾジアゼピン系の薬を服用している人達の死亡例が多いです。

 

 

ベンゾジアゼピンは副作用のあまりない薬、重篤な副作用は出にくい薬と言われていますが、飲み方や飲み合わせ、長期投与による体内への蓄積を考えると、決して安心できない薬であることがわかります。

 

特に、お酒とベンゾ、フロンガスとベンゾ、オピオイドとベンゾなど、掛け合わすことで重篤な副作用が出ることがあるようです。

 

2年ほど前に知り合いの障害者グループホームで、入浴中に入居者さんが死亡するという事件がありましたが、たくさんお薬を飲んでいいたということでしたので、何かが掛け合わさって、死亡に至ったのかもしれません。

うちのホームでもベンゾの離脱が酷いSさんは、お風呂に入るとよく倒れていたことがありました。

(今は薬も減らしているので大分良くなりましたが。)

 

こういうことを考えると、多剤・過料服用・長期投与・飲酒して服用というのは、極力避けるべきです。

飲んだ後の入浴というのも注意が必要ですね。

 

 

一人でも多くの精神科医が、こういう記事に目を留めたり、データを検証したりするようになればいいと思うのですが、ほぼそういう人がいないというのが現状です。

 

いつか気付いてくれる日が来るのでしょうか。