そんなとき、どうなるのかをお話しましょう。
2004年7月8日。
成田空港第2ターミナル(当時)17時25分発、北京行きNH955便。

これがその飛行機です。なんの変哲もない待合エリア。
飛行機はほぼ定刻で離陸。
乗客は5割り程度で、比較的空いていました。
飛行コースは内陸寄り。関東平野を東西に横断し、
伊豆半島の北部、箱根の上空にさしかかっていました。
18時00分。
富士山がみえて来たとき、
飛行機の機体が大きく左に傾き、旋回を始めました。
その時、操縦士からの機内放送が入りました。
現在、機体についた氷を溶かす装置に問題が発生しています。
地上整備員と連絡をとり、このまま飛行を続けられるのか、
引き返して修理をおこなうかの、判断を待っている状態です。
よくご存知だと思いますが、飛行機の旋回というのは
なんとも言えない恐怖感があります。
地に足がついていない状態で、同じ景色を何度も何度も見る事になります。
風景が変わっていかないというのは、違和感があります。

18時22分。これがその時の風景。
はじめは気のせいかと思っていましたが、なんと、
機内の温度がほんとうに下がり始めました!
マイナス数10度になる機外とは壁一枚。
飛行機の外壁に使われる鋼板の厚さは500円硬貨ほどです。
まじ寒い! 初夏であり薄着だったので、身体の冷えもはやい。
飛行機の機器に何かひとつでもトラブルがあると、
影響は意外と大きいようです。
18時30分。機長からのアナウンス。
管制塔からの指示がありました。
ところどころ悪気象状態が予想されるために、
このまま飛行を続けるよりも、
いったん落ち着いて直して行こうということが
無難だと判断いたしました。
↓その時の機内の様子です(動画)。
18時55分。乗った飛行機は日暮れの成田空港に引き返しました。

機内で待っている間、乗客は立ち歩いたりして過ごしていたのですが、
修理が終了いたしました。
飛行機のコンピューターをリセットするために、
いったん電源を入れ直す必要があります。
お客様には機外に出て頂きます。
出国しすでにボーディングを済ませた客が外に出されるとき、
いったい、どこで待機すればいいと思います?
なんと!あの、ボーディングカウンターと、飛行機をつなぐ
アプローチ通路の中で待たされるのです!
せまい廊下に全員が出され、飛行機側は封鎖、ターミナル側扉は閉鎖。
その中で飲み物が配られ、約15分ほどを過ごしました。
軽い監禁状態です。

21時20分。無事に再離陸した機内で、ようやく機内食が配られました。
現地時間で約3時間ほど遅れて北京首都空港に着陸しました。

飛行機って大きいけど、とてもデリケートな乗り物ですね。
ちょっとしたトラブルでも、かなり緊張します。
航空各社のみなさま、安全運行をよろしくお願いします。
2004