白石 一文

人はいずれ死ぬ者。それ以上でも以下でも。誰のせいでもない。誰のせいでもない。人は終わりが見えているから優しくなれる。短い一生なのに欲にとらわれたり、恐怖に駆られたりと、死というものがあることを知ってしまった人という動物は常にビクビクして生きている。それもしょうがないのか。人間は臆病だ。でも、だからこそ、人間は憐れむことを知っている。目の前の友人もいつか骨になる。住んでいる家もいつかは朽ち果てる。いまある地球もいずれは太陽にのまれる。世は無常である。「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」