息子の心は完全に私から離れていた。
父親が私の悪口を吹き込み、反抗期の息子は自分の理解者が出来たと気持ちが大きくなっていた。話す言葉も、元夫が話していたであろう事で、口調や言い回しがそっくりだった。
何かにつけて、私に無理難題を言い、それが通らないと、こんな所にいられないと言う。

そんな時、私が仕事から帰り息子の部屋のドア越しに話しかけると、何やらガチャガチャと音がした。
嫌な予感がして、開けて!と言うと渋りながらもドアを開けた。
見ると、また鍵が付いている。
やはり簡易的なものだったが、今回は100均などでは買えないものだった。
問いただすと、父親に買ってもらったと言う。

私と息子の生活を、上手くできるように話してくれたら良いのに、いつも私の邪魔ばかりしてくる。
仕方ない、私が困ることを夫は願い、私が楽しく暮らすことを阻止しようとしているのだから。

その時は、夫にも怒りがあったが、息子が前回ダメだと言ったことを守らなかった事にも大きなダメージを受け、「そんなに、ココが嫌なら父親の所に行きなさい!」と言ってしまった。

そして、荷物をまとめようとバックを探しに他の部屋に私は行った。
息子は、鍵を外して持ってきて、「ココにいたい」と行った。
久しぶりに子供らしいの絞り出すような切ない言葉だった。
でも、私は息子のその言葉を拒否してしまった。
泣きたい気持ちで、「あなたがいつもそう言っているんじゃない」そんな感じのことを言ったと思う。

言ってから深く後悔した。
今も、後悔している。
そんな言葉を言ってくれたのは、それが最後であの時の拒絶が息子にとって母親に期待しても仕方ないと心を壊してしまったから。

その日に話をして、今後鍵は付けないことを約束して、気持ちは離れていたが同居生活を続けることになった。