イランの女優ベーナズ ジャファリ(本人)のもとに、マルズィエという少女から動画のメッセージが届く。女優を目指すマルズィエは、芸術大学に合格したが家族によって夢を断たれたと話し、ロープを首にかけようとしていた。ジャファリは心配になり、ジャファル パナヒ監督(本人)と共にマルズィエの住む村に行く。少女を調査をするうちに、二人はイラン革命後に起きたスター女優の悲劇を知る。

シネマトゥデイより








監督 脚本
ジャファル パナヒ



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すてれんきょの感想

近年イラン制作の優れた映画を鑑賞することが多く成ってきた。

これまでのすてれんきょはイスラム圏では一律に(程度の違いはあれど)偶像及び映像等は否定的だと思ってたもんで、なんでこんなにイラン製の映画がどんどん入って来るんやろ?って、ちょっと不思議に思ってたん。


そんなわけで、鑑賞後に↑のあらすじにも出てくるイラン革命をググってみたん。
そしたらイランはイスラム教でもシーア派が殆どで、弾圧されていたシーア派とアメリカの干渉に反対する勢力、それに王室の進める改革に反発する保守派が王朝を倒して、シーア派が主導するイスラム共和制が主権を取ったのがイラン革命なんやな。
これの凄いのが、アメリカ主導の西側にも、ソ連が盟主の東側にも着かず、第3国として、40年体制を維持している事やな。
革命の影響を恐れたイラクがイラン侵攻で始まったのがイライラ戦争。
アメリカがイラクを支援するもんやから8年も続くし、ソ連がアフガニスタンに侵攻したのも革命の影響を恐れたから。



この間の事はいろんな映画に成ってるけど、そこまで深く考えた事がなかった。
ほぼハリウッド製やからアメリカ目線でしか見てないって事やな。ニュートラルな目線を持つって大切で大変やな。





まぁ、そういう事で、シーア派って映像とかにそれ程厳しくないらしい。
そういえば、革命の時もホメイニ師の肖像画を掲げてでもしてるニュースが流れてた。



兎に角、政治的に女性の力も必要と判断されて、教育にも力を入れ、現在では大学の高等教育を受ける女性比率は主要部門で男女逆転しているらしい。



こんな背景を知ると、ドキュメンタリー風のタッチが生きていて、現在のイランが理解出来ると共に、これまでに鑑賞したイラン製の映画も理解が深まってくる。