夜の月を
月を見ながら眠りたい夜は
夜の月を部屋に迎える
窓にすだれを下げて
カーテンを開け放つ
すだれ越しに
月が渡っていく
昔もこうして
月を見ただろうか
カーテン越しに見る月よりも
身近に感じる
月の光はさえざえと
影を落とし
青い光に満ちた世界で
眠りに落ちる
白いシャツ
白いシャツを着た
薄いシャツは
軽くて柔らかい
コットンの洗いさらしたシャツ
アイロンはかけないで
自然に干したまま
暑さから
やんわり守る
肌の透ける薄さで
ちょうどいい
風が通り
裾がひるがえるような
軽さでいい
薄いシャツは
軽くて柔らかい
コットンの洗いさらしたシャツ
アイロンはかけないで
自然に干したまま
暑さから
やんわり守る
肌の透ける薄さで
ちょうどいい
風が通り
裾がひるがえるような
軽さでいい
FULL MOON 夜を駆ける 18
「代わりがいるの」
だからスンホンは、あたしをここに連れて来たの。
「なら、あたしが大人しく代わりになると思ったの
あたしはスンホンを連れて帰る。あんたなんかに負けない」
身動きも出来ない。なのに口では強がってしまう。
隣からは低い唸り声がしている。
『お前はバカだ。考えなしの低脳だ。余計な事にばかりかかわる』
『オレ オマエ クラウ』
虎に話しかけたことにより、スンホンからこちらに注意が戻る。
じっと金の目が見つめる。すくんで動けないけれど、目の端では何か使える物がないか探していた。
少し右に木の枝が落ちている。なんとかそこまで行って拾いたい。
これでも武道家の娘なのだから、仕留めるまではいかなくても精一杯の抵抗はしたい。
そう思ったらすくんでいた背筋が伸びた。
ゆっくり体に力が戻ってくる。強張りをほぐすように手を肩から揺らして握りこんだ。
虎が近づいて来る。あたしの前には、黒い獣がいる。
「なんで逃げないのよ」
『子守を頼まれているからだ』
「あたし子供じゃないわ」
『十分青くさいね』
この獣、少なくとも敵ではないらしい。かといって味方かといえば不安だ。
「あたしはあてにしていいの」
『お前の首と胴体が離れていたら困るんでね』
木の枝にたどり着き、視線は虎から外さず拾う。
「援護まかせる」
『命の保障はしてやるよ。どんな犠牲を払うのかはお前次第だ』
だからスンホンは、あたしをここに連れて来たの。
「なら、あたしが大人しく代わりになると思ったの
あたしはスンホンを連れて帰る。あんたなんかに負けない」
身動きも出来ない。なのに口では強がってしまう。
隣からは低い唸り声がしている。
『お前はバカだ。考えなしの低脳だ。余計な事にばかりかかわる』
『オレ オマエ クラウ』
虎に話しかけたことにより、スンホンからこちらに注意が戻る。
じっと金の目が見つめる。すくんで動けないけれど、目の端では何か使える物がないか探していた。
少し右に木の枝が落ちている。なんとかそこまで行って拾いたい。
これでも武道家の娘なのだから、仕留めるまではいかなくても精一杯の抵抗はしたい。
そう思ったらすくんでいた背筋が伸びた。
ゆっくり体に力が戻ってくる。強張りをほぐすように手を肩から揺らして握りこんだ。
虎が近づいて来る。あたしの前には、黒い獣がいる。
「なんで逃げないのよ」
『子守を頼まれているからだ』
「あたし子供じゃないわ」
『十分青くさいね』
この獣、少なくとも敵ではないらしい。かといって味方かといえば不安だ。
「あたしはあてにしていいの」
『お前の首と胴体が離れていたら困るんでね』
木の枝にたどり着き、視線は虎から外さず拾う。
「援護まかせる」
『命の保障はしてやるよ。どんな犠牲を払うのかはお前次第だ』