新聞記事 11/25
少し前になりますが興味深い記事がありました。
読売新聞 11/25 朝刊の記事で、作家の大沢在昌さんと道尾秀介さんの対談になります。
以下は抜粋になります。ほんの一部になりますが、とても共感できました。
~…~…~…~…~…~…
大沢 では、作家として一生やっていけるという確信はあるの。
道尾 それはあります。なぜかというと、自分の書く小説が大好きなんです。
僕は八年間、会社に勤めました。営業マンで、わりと成績は良かったんですけれど、どうしても勝てない人がいた。
その人は不器用なんですよ。でも、営業が大好きだった。
大沢 つまり、好きな人には勝てないと。
道尾 やっぱり大好きなやつにはなにをやっても勝てない。僕は自分の書く小説が大好きなんで、書けなくなることはないと。
道尾 なるほど。でも、自分の書いたものを「つまんねぇな」と思っている小説家はいないと思います。
時々読み返して「俺って天才じゃないか」なんて、大体そう思っています。
みんな自分が読みたいものを書くわけですから。
道尾 インタビューなどで作家が「読者のために」と言うのを聞くことがありますが、人のためにあんなつらい作業はできません。
一方、読者にとっても活字を追うあの時間と手間は大変だと思います。
大沢 でも、入っていった本の世界が本当に楽しめるものだったら、そこにはものすごい興奮がある。
結局、小説を書く人間というのは、物語の持つ面白さに魅せられたんだと思います。
~…~…~…~…~…~…
わたしも好きなことを書いています(笑)
そして物語に魅せられています。わたしにとって登場人物は自分の血や肉や魂を分けた存在です。
好きでなかったら書いていない。
あとの記述で日本の小説は書き手の成熟により、文章が削られ墨絵に近くなる。海外は油絵のように、語彙が豊富になるというのもわかる気がしました。
わたしも墨絵です。
言葉はとても強く人に訴える。実際、人を前にしたら伺えない心のうちは仕草や視線に現れる。
知りたいこと
聞きたいこと
それを埋めるように書くこと
ここで書きながらそう思います。
読売新聞 11/25 朝刊の記事で、作家の大沢在昌さんと道尾秀介さんの対談になります。
以下は抜粋になります。ほんの一部になりますが、とても共感できました。
~…~…~…~…~…~…
大沢 では、作家として一生やっていけるという確信はあるの。
道尾 それはあります。なぜかというと、自分の書く小説が大好きなんです。
僕は八年間、会社に勤めました。営業マンで、わりと成績は良かったんですけれど、どうしても勝てない人がいた。
その人は不器用なんですよ。でも、営業が大好きだった。
大沢 つまり、好きな人には勝てないと。
道尾 やっぱり大好きなやつにはなにをやっても勝てない。僕は自分の書く小説が大好きなんで、書けなくなることはないと。
道尾 なるほど。でも、自分の書いたものを「つまんねぇな」と思っている小説家はいないと思います。
時々読み返して「俺って天才じゃないか」なんて、大体そう思っています。
みんな自分が読みたいものを書くわけですから。
道尾 インタビューなどで作家が「読者のために」と言うのを聞くことがありますが、人のためにあんなつらい作業はできません。
一方、読者にとっても活字を追うあの時間と手間は大変だと思います。
大沢 でも、入っていった本の世界が本当に楽しめるものだったら、そこにはものすごい興奮がある。
結局、小説を書く人間というのは、物語の持つ面白さに魅せられたんだと思います。
~…~…~…~…~…~…
わたしも好きなことを書いています(笑)
そして物語に魅せられています。わたしにとって登場人物は自分の血や肉や魂を分けた存在です。
好きでなかったら書いていない。
あとの記述で日本の小説は書き手の成熟により、文章が削られ墨絵に近くなる。海外は油絵のように、語彙が豊富になるというのもわかる気がしました。
わたしも墨絵です。
言葉はとても強く人に訴える。実際、人を前にしたら伺えない心のうちは仕草や視線に現れる。
知りたいこと
聞きたいこと
それを埋めるように書くこと
ここで書きながらそう思います。
月が満ちるまで ともしび 5
外に飛びだすと、風が頬をなでた。ひやりとした感触に鳥肌が立つ。
しばらく走った。
ジグザグと、わざと狭い道を走っていく。
すぐそばにある家の明かりも今は煩わしい。
逃げたくて
見たくない現実を付きつけられて、がっかりした母さんの顔が追いかけてくるようで…
薄暗い街角には街灯が灯り、光を投げかけていた。
息があがるまで走って、走り疲れて……
座り込んだ石の上で呼吸が戻るのを待っていた。ぜいぜいとあらい息の間に、ずっと走っていたら余計なことを考えなくてすみそうだと思った。
風と自分の呼吸だけになる。
流れていた汗が体を冷やしはじめるのが怖くて、体を立て直す。
歩きはじめても行く所はないのに。
煩わしいと思った窓の明かりを頼りに夜の街を歩いていく。
街灯の投げかける明かりも、遠くからなら頼もしく、過ぎてしまえば、心もとなくたまらなく淋しくなる。
背中をなでる風の冷たいさ……
冷えた汗が熱を奪っていく。
いつかは帰らないと生きていけない…
自分ひとりでは何もできない。
家も食事も服も、全て親が働いて与えてくれたもので、何一つ自分で手に入れたものではない。
今、家を飛び出しても、僕は一人で生きていけない。
母さんが、兄貴と比べるのが耐えられなかった。
僕も笑ってもらいたかった。喜んでもらいたかった。
僕は期待にこたえられなかった……
母さんなんて
兄貴なんて
嫌いになれたら
楽かもしれない
でも
僕は好きなんだ
だからこんなに悲しい
だからこんなに 辛くて…
ぽたぽたと涙が溢れる。
自分が嫌いになりそうだ。
涙は乾くことなく頬を濡らした。
しばらく走った。
ジグザグと、わざと狭い道を走っていく。
すぐそばにある家の明かりも今は煩わしい。
逃げたくて
見たくない現実を付きつけられて、がっかりした母さんの顔が追いかけてくるようで…
薄暗い街角には街灯が灯り、光を投げかけていた。
息があがるまで走って、走り疲れて……
座り込んだ石の上で呼吸が戻るのを待っていた。ぜいぜいとあらい息の間に、ずっと走っていたら余計なことを考えなくてすみそうだと思った。
風と自分の呼吸だけになる。
流れていた汗が体を冷やしはじめるのが怖くて、体を立て直す。
歩きはじめても行く所はないのに。
煩わしいと思った窓の明かりを頼りに夜の街を歩いていく。
街灯の投げかける明かりも、遠くからなら頼もしく、過ぎてしまえば、心もとなくたまらなく淋しくなる。
背中をなでる風の冷たいさ……
冷えた汗が熱を奪っていく。
いつかは帰らないと生きていけない…
自分ひとりでは何もできない。
家も食事も服も、全て親が働いて与えてくれたもので、何一つ自分で手に入れたものではない。
今、家を飛び出しても、僕は一人で生きていけない。
母さんが、兄貴と比べるのが耐えられなかった。
僕も笑ってもらいたかった。喜んでもらいたかった。
僕は期待にこたえられなかった……
母さんなんて
兄貴なんて
嫌いになれたら
楽かもしれない
でも
僕は好きなんだ
だからこんなに悲しい
だからこんなに 辛くて…
ぽたぽたと涙が溢れる。
自分が嫌いになりそうだ。
涙は乾くことなく頬を濡らした。
涙
目に入った ちいさなゴミでも
洗い流すために涙がでる
ちいさな傷がついたとしても
消毒するための成分が入っている
たくさん涙を流したら
頬を洗い流して
手のひらを洗い流して
消えていく先は
心のなか
心を洗い流して
硬くなった心を柔らかくしてくれる
泣いて心を洗ったら
また歩きだそう
洗い流すために涙がでる
ちいさな傷がついたとしても
消毒するための成分が入っている
たくさん涙を流したら
頬を洗い流して
手のひらを洗い流して
消えていく先は
心のなか
心を洗い流して
硬くなった心を柔らかくしてくれる
泣いて心を洗ったら
また歩きだそう