月が満ちるまで 風と仲間とバカ話
朝の自転車置場で、いつもいつも、バカみたいに元気なハルがマスクをしてきた。
「ハルだけは風邪ひかないんじゃないの」
「お前と一緒にするな、海斗」
見えているのは、目だけなくせにナマイキすぎる。きっとマスクの下では、笑ってるはずだ。
鼻の所からマスクに指を突っ込み、勢いをつけて離すとバチンと顔に当たる。
「何すんだバカ」
「ナマイキだ」
「さみーから、しょうがないだろ」
自転車通学は寒い。坂を下り風を背負って走っても、手足はかじかむし、耳は切れるくらい冷たい。
帰りはサイアク。向かい風に坂を上ることになる。
「結構いいよ、マスク」
髪型が潰れるから、帽子だけはかぶらない。
気になる女の子がいるから、なおさらだ。
ぐるぐるマフラーをまいた俺も、マスクしたハルもおんなじで、女の子の前では格好悪いとこは見せられない。
「あのさ、高地トレーニングってあるじゃん。あれみたいじゃない」
きょとんとハルの顔を見てしまった。
「マスクが」
「そう。マスクが。結構苦しいんだって」
「お前、それ付けて校庭走ってこいよ」
「よし。オレだけ肺活量あげてやる」
本当に走る気になってる。
「汗と鼻水とよだれで、びちゃびちゃになるぞ」
「何言ってんだ海斗、マスクしてたら、寒くて鼻水垂らしてんのが、分からなかったって事も、なくなるんだぞ」
「…それはいいかも」
やっぱり見た目は大切だ。
バカな話をしながら一日が始まる。笑いながら、俺達は歩いていく。
「ハルだけは風邪ひかないんじゃないの」
「お前と一緒にするな、海斗」
見えているのは、目だけなくせにナマイキすぎる。きっとマスクの下では、笑ってるはずだ。
鼻の所からマスクに指を突っ込み、勢いをつけて離すとバチンと顔に当たる。
「何すんだバカ」
「ナマイキだ」
「さみーから、しょうがないだろ」
自転車通学は寒い。坂を下り風を背負って走っても、手足はかじかむし、耳は切れるくらい冷たい。
帰りはサイアク。向かい風に坂を上ることになる。
「結構いいよ、マスク」
髪型が潰れるから、帽子だけはかぶらない。
気になる女の子がいるから、なおさらだ。
ぐるぐるマフラーをまいた俺も、マスクしたハルもおんなじで、女の子の前では格好悪いとこは見せられない。
「あのさ、高地トレーニングってあるじゃん。あれみたいじゃない」
きょとんとハルの顔を見てしまった。
「マスクが」
「そう。マスクが。結構苦しいんだって」
「お前、それ付けて校庭走ってこいよ」
「よし。オレだけ肺活量あげてやる」
本当に走る気になってる。
「汗と鼻水とよだれで、びちゃびちゃになるぞ」
「何言ってんだ海斗、マスクしてたら、寒くて鼻水垂らしてんのが、分からなかったって事も、なくなるんだぞ」
「…それはいいかも」
やっぱり見た目は大切だ。
バカな話をしながら一日が始まる。笑いながら、俺達は歩いていく。

