Focus 10 Reiji side | ふんわりシフォン

Focus 10 Reiji side

「自然にしてて」

撮影を再開するにあたって玲奈ちゃんには、そう言った。


「俺はね、誰かの真似なんかじゃない玲奈ちゃんを撮りたいんだからね」

「はい」

にこっと笑うと出来る、大きな三日月を写真に収める。

「…今のは不意打ちです」

照れて前髪を直す仕草がおかしくて、またシャッターを切る。

「ああっ…ダメですよぅ」

「大丈夫、かわいい」

かあっと赤くなるのがわかった。肌が白いので、赤くなったのがよくわかる。


「本当」

目が潤んで艶っぽい表情になる。


「かわいいよ」

言いながらもシャッターを切る。使えるかはわからないけれど、貴重な一枚には違いなかった。

「礼治さん、あんまりイジメないでくださいね。玲奈ちゃんまだうぶだから」

見かねたのかスタイリストさんから声がかかる。

「ひどいね。イジメてないでしょ褒めてるのに酷い言われようだ」

「モデル恥ずかしがらせてどうするんです?口説いてるんじゃないんだから」

「ははっまったくね」

笑いが出て場が明るくなったので、ちらりと結輝を見たら明らかにほっとした顔をしていた。

あたってしまったことは仕方ない。後でフォローを入れないと。明らかに空気の変わった撮影現場で撮影をこなしていく。




玲奈ちゃんは被写体としては完璧なプロポーションをしているけれど、どこか緩く支えたいというような保護欲を掻き立てる。

最新のファッションをまとってランウェイをウォーキングする玲奈ちゃんを想像できないくらい、今の玲奈ちゃんは生き生きとしていた。

この子は、こっちのほうが向いている。

服を着こなすすべに長けるより、飾らない素のままでいたほうが、より彼女の魅力を引き出せていた。