スピカ 6 | ふんわりシフォン

スピカ 6

高木くんと宮地さんの取り調べが再開され、わたしと里沙ちゃんは取り残される。



「あっきれた…!いこう亜依ちゃん」



きびすを返した里沙ちゃんから促され、わたしもその場を後にする。



「悩んでるなら協力してもいいけど、根本的に問題ありよ。あいつは自分が怨まれたりする可能性すら否定するんだから」

「わかってないのか、信じたくないのか困ったものね」



カツカツとヒールを響かせて、里沙ちゃんと自分の売場まで戻る。

当たり所のない怒りがワゴンにぶつかり音をたてる。握り拳で当たっても、里沙ちゃんの力ではバンと小気味よい音がするだけだ。



「…宮地さんも動いてる。内々に済ませられなくなるかもしれないわね」

「責任問題になりそう、ってこと?」

ガバッと顔を上げた里沙ちゃんは、眉を寄せて困ったように口を開く。


「ここはお店だから、宮地さんも簡単に引き下がれないようよ。」

「人を疑わないといけないって言うのも辛いよね…お店はチームだから、それぞれが自分の持ち場で頑張ってはじめて機能するんだから」



二人で頭を付き合わせていたら、惣菜の本田さんがやってきた。惣菜の持ち場はこちら側じゃない。わざわざ来たということらしい。軽く手をあげて、私達に加わった。



「大変だよね、高木のお弁当。気になったから覗きに来たんだけど、あいつ宮地さんに絞られてて話しかけられないよ~」


丸っこい手をこすりながらそう言った。