洗濯機騒動 1 | ふんわりシフォン

洗濯機騒動 1

洗濯機の脱水が緩くなったとお母さんがぼやいている。

「ぎゅーって絞ると水が出るんだから。脱水出来てないよ。買い替えだわ」

バスタオルをお父さんに突き付けて、ぷりぷりしている。洗濯物を絞っていた手は真っ赤で冷たそうだ。

「毎日のことだし、乾きが悪くて困るのよ」

ぷりぷりしているお母さんとは逆に、お父さんは冷静だ。

「じゃあチラシ見て、比較してからお店に行こう。たくチラシ持ってきて」

チラシを広げて、一番安いお店に出かけることにした。



お店に着くと、ピカピカした新商品が目立つ場所に並んでいた。節水、エコと書かれているのは、ドラム型と呼ばれているもので、横からドアを開けて出し入れする。

カッコイイよね、と振り返ってみたら、お母さんが苦笑いして、それは見るだけねと言われた。

新商品に並んでいる洗濯機の蓋を開けながら、お母さんは悩んでいた。

洗剤と柔軟剤をどこに入れて、糸くずフィルターはどんなものか、ぱたぱた蓋を開け閉めして見ていた。

「たく見てよ。新しいほうの洗濯機はね、糸くずフィルターが、ネットじゃなくて、引っ掛からないように洗濯漕のなかに組み込まれてるのよ」

すごいねーと言われてもピンとこない。ただ見比べたら、ネットがぴょこんと飛び出しているより、ないほうがすっきりしている。

お父さんといえば別の場所の洗濯機を見ていた。お母さんが見ていたのより、安いもの。