FULL MOON 夜を駆ける 2 | ふんわりシフォン

FULL MOON 夜を駆ける 2

秋の実りは地にも川にも満ちている。山にはキノコや果実が実り、地面の下には栄養を蓄えて膨らんだ芋が隠れている。

かさかさと、枯れ葉を踏み締めながら数人づつの団体で山に入るのも、この時期ならではだ。

山胡桃を見つけると、先頭に立っていたハンが、皆を呼びよせた。

「ちょっと休憩。胡桃拾ってきな」


幼い兄弟の子守から解放された子供らは、我先に胡桃の実を拾い、ハンの所まで持ってくる。

「割って、割って」

小さな手にも、服の合わせにも茶色い実が握られていて、こぼれ落ちそうな笑顔とキラキラした目が見つめている。

ハンは子供から、ふたつの胡桃を受け取ると、ひとつの胡桃の筋を、もう片方の胡桃に当て、ぎゅっと握りこんだ。

すぐにパキッと音がして、握っていた手を開くと割れた胡桃が出来ていた。

「すごいねえ」

「はやいや」

「僕のも割って」