FULL MOON 38 | ふんわりシフォン

FULL MOON 38

『今日は休むんだ。現場へは明日向かおう』

ホテルへと向かう彼女の後について行く。ホテルのランクはかなり良いものだと思えた。

彼女がドアに近づくとさっと内側から開かれる。現れた人物は、彼女がまくし立てた言葉を聞き、彼女の要求を叶えるべく人が走る。

彼と彼女について行くと、エレベーターは最上階を示した。スイートルームだとしか思えない。もう一度、彼に指示を与えて下がらせると、入れ替わりに執事がやって来た。

うやうやしく彼女の言葉を聞くと、礼をして下がった。

『ここには客室が二つ付いているから、どちらでも好きな方を使うといい。部屋にバス、トイレは付いている。替えの服を用意させたから、すぐに届くだろう』

ソファーに収まった彼女は、ひとまわり小さく見えた。はっきりと疲労が浮いていたが、テーブルにはプリントアウトされた書類が山になっていて、それを手に取った。

『あなたは、休まない?』

『居ない間の指示が滞っている。重要なものと至急なものだけ確認する』


軽くこめかみに触れ、書類に目を通す。

『重油の流出によって、うちの船は航路を変更するものが出てきた。迂回ルートを取らせている』