FULL MOON 24 | ふんわりシフォン

FULL MOON 24

目印は決まった。

ジョーカーの庭の銀杏へ意識をつなぐ。さわさわと葉の擦れる音が答える。



地門があるなら、風門、水門もあるはずたった。

ふと気になりジョーカーに聞いてみる。

「ジョーカー風門は」

「火急の時でなければ、使う必要はない。車も飛行機も必要とあればすぐに動かせる。そのために配置してあるし、彼らの生活を保障するのも私の役割だからね」



力ある存在はむやみに力を使わないようだ。

じんわりと樫の棒があたたかくなる。

竜巻に隠れる姿と、水面に広がる波紋。どちらも自然のあるがままの姿ではないから、負担もあるのだろう。



こつこつと地面へおとないを告げる。
カチカチと火花を散らす石たちが、ざわざわと組み上がり道を作る。

道…というより、穴。

落っこちていくらしい。



「見事な穴だな。落ちていくのか」

「大丈夫。地上も地中も俺に害をなすものなんてないから」


「…壁に作ればよかろうに」

そうだよ、解んなかったからだよ。穴をのぞいたら、ちかちかと鉱物が遠くまたたくのが見えた。

あそこまでは落ちるのか…

その後、空間を捩曲げてジョーカーの庭につく。きっとあっという間だ。



だから

だから

大丈夫…



目を閉じて落ちつこうとしたなら、きゅっと手を握られた。

「God bless for you」

可愛らしい水のマスターが、俺の手を両手で包みこんでいた。外人で年上だろうに、なんて可愛いいんだろう。

「ありがとう」

自然と笑みが浮く。




「いくぞ明け星」

「付きあうか。ばかマスター」


「バカ言うな。マスターって言うなら、バカは付けんなコノハナでいいから」

対等でいたいから。俺のせいでそんな姿になったって思い知らされたくなんかないよ。

軽い口調で笑いに紛らわして。俺はこいつと歩いていく。

この先にあるのは穴だけどね。