FULL MOON 22 | ふんわりシフォン

FULL MOON 22

自由に何処へでも行ってみたい。どこでもドアみたいに行くことが出来るなら、何処へ行こう。

地の門を潜って別の土地へと。





「あの、ジョーカー…」

「地門だろ」

驚きが顔に出る。

「やってみたい、そう書いてある」

「知ってるんだ」

「地のじいさんは、それで会いに来たからな」



イメージが広がる。

記憶と知識とを譲り受けたみたいだ。



老人の腕に握られた樫の棒から地面が共鳴をおこす。
ぶれていた映像が、定まり焦点が絞られる。二重に重なる映像に向かい、近づくと淡く重なっていた片方が鮮やかに浮かび上がる。

霧の幕を一枚抜けるような感覚。



…やってみたい。

覚えたら楽しいだろうな。何処へでも行けて。そしたら、お金なんか掛けなくたっていいんだもんな。



「イメージのある場所のほうが、移動しやすかろう。人目を避けるなら、私の敷地内にある木を目印にするといいだろう」

ジョーカーの家の木…

広大な家を取り巻く、広大な敷地…庭だって、部屋からの眺めを計算してイメージに合わせて設計されていた。いったいどんな木にしたらいいのだか。

ふとジョーカーをイメージしたら、真っ黄色な銀杏が浮かんだ。