旋回 | ふんわりシフォン

旋回

足元に十文字の影がよぎる

さあっと掃いたように
いくつもの影が行きすぎる

見上げれば鳥の群れが頭上をよぎる

すらりとした肢体に嘴の白

北から吹く風に乗って
くるりと旋回する



渡り鳥なのかも

薄い灰色の若鳥は
集団のいちばん外側を
大きく大きく旋回していく

気流を受けた翼は
羽ばたかなくても
ほんのわずかな角度をつけただけで弧を描く

旋回しながら
それでも 少しづつ南へ

集団になっているけれど
物凄く疲れそうな
飛びかたで 移動していく



体力を消耗しない
そんな飛びかたもあるだろうに

秩序なんてない集団から
感じるのは喜び

飛べる喜び
どこかへと向かう喜び

湧きあがる衝動が
群れを乱して
それでも確実に
どこかへと向かっている