月が満ちるまで 噴水 11 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで 噴水 11

強く踏み出す一歩に目が奪われる。

相手をかわすための動作。
それをつないで得点に繋げていく。うん…繋げていきたい。

渡辺と代わったのは先輩らしく、身長が渡辺より大きい。でも、身長だけでリードできる訳ないじゃない。

宮原と渡辺だからこそ息のあったプレーだったのに。


ほら、今パス取られた。



歯がみして見てるしかない…

「守ってこーぜ」

戻りながら声をかけてる。走ってるのに、声がでかい。まわりから返事が返る。
本当に、見てるだけでしかないの?

「走れっ、宮原~」

ちらっと笑った気がした。体の小さい宮原は、機敏な動きでボールを取った。ほんの僅かな時間で流れが変わる。

向こうも動きのいい選手をあてて来ている。動きながら考えているのか、体が馴染んだ動作をするのか…
走り回って息のあがった状態でどこまで考えているんだろう。

「ガンバレ宮原」

すっと楽に抜いていく。あんまり自然だったから、まわりが止まって見えた。

「わぁ…すごいハルくん」

「ょおしっ行けーーー宮原」


ゴール近くまで運ぶと、シュートと見せかけてパスを出した。
ノーマークでシュートが決まる。

「やったぁ」

「やぁ…良かったぁ」

風花とばんばんお互いをたたく。なんだか…

すっごく すっごく嬉しい。知らなかった宮原を知って、すごく嬉しい。