FULL MOON 9 | ふんわりシフォン

FULL MOON 9

どうしても知りたい。この先には何があるのか。これが運命だというなら、俺達をどこへ連れて行くのか。

「呼び出した理由は、自己紹介ではないですよね」

「そうだ。君の戯言を聞く時間でもない。君には選択件はないのだよ」

唇が引き締まり笑いの形になる。薄い唇はお面のようなつくりものの笑いに見える。



「守らなければ、狩られる」

あっさりと言い切る。

「猫は守護獣さ。命を守るためのね」

「そんなこと……望んでなんていないのに」

普通に生きていけたらよかった。彼女と笑いながら、買い物したり食事をしたり…たわいない時間を過ごしたかった。
命のやり取りに参加する気なんてなかった…



狩られる



こちらから手を出さなくても、向こうからやってくるというのか。

あの…禍々しいものが。

「選択の余地はない。死にたいなら別だ」

腕のひと振りで、カラスは翼をひろげ、上空を旋回する。

「払ったはずなんだがな」

ぼそりと呟いた言葉の後になにか背筋を這う悪寒を感じた。