FULL MOON 1 | ふんわりシフォン

FULL MOON 1

「朔」

呼ばれて振り向いた。そこには誰もいなくて、春の日差しと柔らかな風しかなかった。

君を思い出す。

明るい日差しの下で覗き込む瞳は、鉱石のようで光彩の色が緑に近い茶色をしていた。珍しさから、よく見ていた。ほんとは君の瞳だから好きだったんだ。

ひとりひとり角膜に違いがあって指紋や声紋のように、認証コードに使われると知ったのは最近のことだ。


どんなに 君が変わっても僕にはわかるよ。

変わらない瞳で。