月が満ちるまで・番外・同じ空 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで・番外・同じ空

枕元からメールの着信音がした。
目覚まし前の時間だから、やわらかいオルゴールにしている。寝返りを打ってフラップを開く。




『おはよう(゚▽゚)/』

それだけの言葉に添えられた、今日の青空。

自分の見たものを知らせたくて、いつも写メが届く。






『きれいだよ、すっごいキレイ空をみてよ』

夕焼けの写メも送ってきた。橋を渡りながら、宮原と同じ空を見た。
山の端にかかる雲は藍色を帯びて、下からの夕陽に赤く染まる。

すごく綺麗だった。なにげなく過ごしていても、綺麗なものや面白いものはたくさんある。
宮原から写メをもらうようになってから、そう思うようになった。




ちはやちゃんと見たいんだ。

めんどくさがりな宮原は、長い文を送ってはこないけれど、短い文でも宮原らしかった。

暮れていく空は、瞬きの間にも色を変える。一瞬も同じ時間はない。

見る場所は違っても同じ空をずっと見ていた。