月が満ちるまで ナツのハナ 6 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ナツのハナ 6

お風呂からあがると、ちはやが浴衣を着付けてもらっていた。

紺の地にうさぎと雪の紋様に似た柄が散っている。柄自体は可愛らしいもので、意外な好みだった。

帯は形のできている物を、背中に結わえるタイプのもので、ラメの入った細い飾り紐がついている。

レースや花で飾り立てる浴衣でなくて、ホッとした。
それでも、ワンポイントに前から見た帯に造花がさしてあった。

派手すぎず、地味すぎず、だろうか。

乾かした髪を簡単に頭の上にまとめて、バレッタで留めていた。

「すごいね、あっという間だったよ」

くるりと鏡の前で回ってみせる。見慣れない浴衣姿は、ちはやを大人っぽくしていた。

もともと、目鼻立ちのはっきりしたちはやは大人っぽいので、浴衣なんて着たらこの前まで中学生だったなんて思えなかった。

「ちはや、すっごく似合ってる。極道達の妻みたい」

「なにそれ~せめてキャンペーンガールくらいにしてよ」

笑いながらおばあちゃんが言う。

「おばあちゃん子だから、流行りに疎くてねぇ。ちはやちゃん仕込んでおくれね」

「まかして下さい。今日は基礎から行きますよ」

じやらりと大きめのポーチを取り出す。ぷくぷくに太ったポーチからは瓶や金属のこすれる軽い音がした。
なにをする気なんだろ。

学校以外でのちはやは、どんなお洒落をするんだろう。