月が満ちるまで ナツのハナ 1 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ナツのハナ 1

梅雨が明けて夏がくる。

制服の上着を脱ぐと、白いシャツが眩しい。足元からは陽炎がのぼるような暑さ。

女の子のブラウスが透けるのが眩しい。

あんまり見れなくて。

なんか見たいような。






七夕の頃には期末試験で、学校帰りにつるんで屋台をまわった。

焼きそば、タコ焼き、お好み焼き。粉モノ系から攻めていく。

唐揚げ、チキン焼き、牛串、イカ焼き。ガッツリ系も抜かりなく。

ショーピン、ドルネ・ゲバブ新しいもの系もひやかし対象。一人が買って、みんなでかじりつく。





バスケの先輩達はすらりとしてて、混みはじめた人混みでさえ目立つ。

結構、格好いい。

自分はどんなふうに見られてるんだろ。バカ高い屋台のジュースはやめて、自販機にコインを入れる。

ガシャンと落ちる音がしてペットボトルがあらわれる。

同じことを考えてる人がいるらしく、ぬるいスポーツドリンクだった。





「お。渡辺だ」

独り言のような声がした。たまたま見つけたという感じ。振り向くと、浦川と橘さん…。

ドキンとした。

夏の日差しの下では眩しいくらいだった。




「渡辺は何食べた」

カランとラムネのビー玉が揺れる。透明な瓶にはピンクの液体。

「ちょっとづつイロイロかなぁ…ショーピンってのがさ、具がギョーザ。皮はおやきみたいなんだ」

「なにそれ~美味しいわけ」

「結構、うまいよ。食べてみたら。それってラムネ、そのピンクの」

ああって感じで瓶を振る。
「いちごラムネ。結構、うまいよ」

にやっと笑う。

「飲んでみる」

ちらっと橘さんを見る。なにも思わないのかなぁ…

「やめとく。アクエリあるから」

じゃぁね、なんて離れようとしたらハルが走って来た。