月が満ちるまで ともしび 4 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ともしび 4

全国模試の結果を母さんにみせた。

眉間にしわが寄る。頬杖をついた顔の険しさから、期待した結果でないことは良くわかった。

「塾の時間、増やしたほうがいい、柊也」

ため息混じりの言葉。

「…塾は嫌だよ」

学校の宿題、塾の宿題…時間はすぐになくなる。
週2の塾は気が重かった。

「…前より下がってる。自分で勉強出来ないから塾でするんでしょう」

爪がテーブルを叩くコツコツという音が気になる…

「…頑張るから…もっと頑張るから塾を増やすのは止めて」

だんだん視線があげられなくなる。母さんの指が…手だけが視界の全てになる。



コツ、コツ




「秀也とはえらい違いだわ」









ぷつり












「…なんで?なんですぐ兄貴と比べるの」

椅子を蹴り倒していた。拳でテーブルを叩く。



なにか、壊してしまいたい


めちゃくちゃにしてしまいたい…

カバンを蹴り飛ばして、壊せる何かを探す。ドアに八つ当たりして玄関に向かう。

バンと壁に叩きつけてもガラスは割れなかった。



花をいけてある花瓶…



母さんが大切にしている花瓶だ。持ち上げて叩きつけた。

ガラスの割れる音。
撒き散らされた花、こぼれた水…



苛立ちを抱えて外に飛びだした。