月が満ちるまで ハイ・タッチ 18 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ハイ・タッチ 18

「お前、バカなんじゃねぇの。何でもバスケに結びつけて考えるのかよ」

確かに、そうかもしれない。俺の基準、俺の物差しはバスケだから。

カッコいいとか、カッコ悪いってことの基準がバスケになる。

「違うな、こいつは大バカだ」

ふいに会話に杉田先輩が加わってくる。

「こいつは何でもバスケで解決できると思ってやがる。普通じゃないね」

そこでふっと笑った。

「大バカだから、いいのかもな。何か考えこむより、動こうとしてる

バカみたいにシュート練習に付き合ったり、練習に誘ったりする。そのくせ、試合になったらなったで試合に夢中で。

そうかと思えば、他のヤツにお節介までしてやがる。
本当、大バカだ

でも嫌いじゃないぜ」



言葉が胸に届く。
じんわりと温かみが広がる。

「確かにバカだ、大バカだな」

川崎先輩が腕を上げる。ハイ・タッチ。

続けて杉田先輩。

「バスケバカにな」

それからハル。

「バカなのは知ってたけど、大バカだな海斗」

次々とハイ・タッチする。


俺、これで良かったのかな


マネージャーがハイ・タッチに来てくれる。

「じゃ、そろそろ始めますかね」


手にはボールがある。

汗を拭くふりをして涙を拭った。
やっぱバスケっていいよな。