月が満ちるまで ハイ・タッチ 12 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ハイ・タッチ 12

「おい、体慣らしとけよ」

軽く体をほぐしている先輩から声がかかる。

足の筋を伸ばしていく。



走りたい。

ボールを追いかけたい。

とても単純な欲求が、内側から俺を揺する。
鼓動が早くなる。今から早くてどうするんだよ。すぐに息があがるだろ。



マネージャーの笛が鳴る。
「後半戦です、両チームともにジャンパーを出してください」

軽く腕をまわす。

これはセンターがすることだ。身長なら、先輩と同じくらいある。なんとかなりそうだった。

サークルに入る。緊張が張りつめる。

ボールが宙に浮き、頂上に登りつめたら試合が始まる。

俺の前後には仲間がいて、取り損ねないようにボールを待っている。

ハルが見える。
先輩、一人一人の位置をざっと見回して息を整える。
笛をくわえたマネージャーが首を倒して確認する。

oK

こちらも頷きかえす。



試合が始まる。