月が満ちるまで ハイ・タッチ 9 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ハイ・タッチ 9

自分の思い通りにならないことは沢山ある。

例えば、天気だったり。

いつも晴れていたら気持ちいいけれど、草や木や飲み水のためには雨が降ってほしい。からっからではやって行けない。

例えば、夕飯のオカズだったり。

どうしてもトンカツ!な気分なのにカレーだったり。手抜きだ!なんて騒ぎながらカレー食べたり。

嫌いじゃないし、必要なんだけどタイミングが合わなかったりする。

イラッとすることはある。
ただそれは自分から見たことだから、人から見たら些細なことかもしれない。

こだわること

折り合いを付けること

それがハッキリしないと、曖昧に笑ってる自分になってしまいそうだった。



そんな自分は嫌だった。

俺はバスケが好きだ。ほかの何かに変えたりできない。

それだけは ハッキリしている。



だからホントは先輩だって好きな何かがあるはずだ。
その何かは知らないけど。
俺はバスケしか知らないから、誘った。一緒に同じコートを走ってみたかった。


「な、ハル本気だしてこーぜ」

「なに言ってるんだよ、いつもそうだろ。海斗はバスケじゃ嘘つかないだろ」

ちょっと上目遣いなハルの口元が笑っていた。

へへっ

つられて口元がゆるむ。



俺にはハルがいた。

こいつには全部話さなくても分かって貰える気がした。