月が満ちるまで ハイ・タッチ 6 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ハイ・タッチ 6

杉田先輩に睨まれる。

体育館がしんと静まりかえった。





「おい、謝っちまえよ海斗」
ハルが心配して袖を引く。
いいから。眼差しで制して杉田先輩に向き直る。

「先輩、お願いします」

頭を下げて丁寧に頼む。



このままじゃいけない。



それは分かった。どうしたらいいかなんて考えずに、一緒のコートを走りたかった。

みんなでひとつのボールに集中したかった。




「……いいぜ」

かすれた声だった。感情のこもらないその声に安堵した。

めちゃくちゃ喜ばれても困ったろう。

迷惑がられても当たり前だし。

冷めてるくらいでちょうどいい。




人垣にキャプテンを見つけて頭を下げると、にやっと笑って頷いた。

「せっかくだしな、紅白戦にしよう。一、二年対三年だ。だれか杉田に予備のウエアを貸してやれ」

そのひと声で活気づく。



さぁ準備はいいかい