月が満ちるまで ハイ・タッチ 1 | ふんわりシフォン

月が満ちるまで ハイ・タッチ 1

朝の空気が冷たい。
玄関から出て肺に吸い込む空気は、冷えていて気持ちがいい。

柔軟をしながらipodに耳を傾ける。

目を閉じて。

ボールの軌跡を追うように。



リバウンドからの速攻。

パスを回して、フェイクを二つ。

ゴール下の競り合いに、フェイクを入れる。

シュートと見せかけてパスを出し3ポイント。

出来る。俺が自分にパスを出してボールをつなぎ、シュートまで決める。

ドクドクとした血管の音まで聞こえそうだ。

柔軟だけで体が熱くなる。


走りだす体と鼓動。

体を動かすことが待ちきれない。

細胞のひとつひとつに送られる空気が輝きだして、細胞が動くことを喜んでいる。


もっと走ろうぜ。
俺を遠くに連れていってくれ。



川ぞいの道すじに、小さな稲荷神社がある。

ガランガランと鳴らして手を合わせる。

いつも見守っていてもらうことへの感謝。

それだけでいいと聞いている。

神様に願っても、叶えるのは自分だから。

試合に勝つのは日頃の練習でしかないから。



神様はいると信じてる。

頑張っても頑張ってもどうにも出来ない最後の一押しは神様が手伝ってくれる。
そう信じて頑張っていく。