ApplEのブログ -6ページ目

ApplEのブログ

ブログの説明を入力します。


~魔法の森~
「…ふぅ。今日も何もなし、か」
そう呟きながら、楽園の巫女こと博麗霊夢はため息をついた。
彼女の目線の先には、天を穿つようにそびえ立つ巨大な黒い塔があった。
「あの塔が現れて今日で三日目。何もないのは良いことだけれど、ここまでくると不気味ね…」
そう。この黒い塔こそが彼女のため息の原因である。
一昨日、魔法の森に突如として現れた塔は何をするでもなく、また、中から何も出てくることはなかった。一部の者たちが侵入を試みたが、その扉は硬く、窓は全て重く閉ざされていた。
「ま、何かあればその時に考えればいいでしょ」
………何とも呑気な巫女である。

~博麗神社~
「おー。霊夢、お帰りー」
「ん、ただいま」
帰ってきた霊夢を迎えたのは幼い風貌の鬼、伊吹萃香だった。萃香は決まった住処を持たないため、こうして霊夢の元に居候しているのだ。
「どうだった?何かあったか?」
「全っ然、ピクリともしないわ」
「そーなのかー」
「………なんでルーミアがいるの?」
「んー?さっきまで遊んでたんだよー」
チラッと空を見ると既に茜色に染まっていた。
「…仕方ない、か。ルーミア、ご飯食べてく?」
目を輝かせ、コクコクと首を縦に振るルーミア。
「そ。じゃあ萃香、ルーミアと一緒に先に上がってて。あ、食器の準備もお願いね」
「ほーい。ルーミアー行くよー」
ルーミアの手をとり、トテトテと走って行く萃香。微笑ましい光景に見えるが、実質は人喰い妖怪と鬼の四天王である。
「さて…と」
一人になった霊夢はふと、鳥居の方を振り返った。
(何だろう…なにか、胸騒ぎがする…)
嵐の前の静けさ。それに似た何かを霊夢は感じていた。
「おーい、霊夢ー!」
「あれ?どうしたの萃香?」
ルーミアと一緒に行ったハズの萃香が走ってきた。
「霊夢!なんか、人が倒れてるぞ!」
「………え?」
「いいから早く来てくれ!」
鬼の力で手を引っ張られる。無論、逆らえるはずもない。
「え、ちょ、ちょっと!どういうこと⁉」
連れていかれたのは本殿の裏側、居住スペースに繋がる玄関口。
「あ!霊夢」
こちらに気付いたルーミアが寄ってくる。
ルーミアの背中には、一人の青年が背負われていた。




第一話  終了
第二話に続く