つづき。。。

弟と再会した次の日早速携帯電話が鳴った。

「あんた、俺にいくらなら貸せる?」

…………いきなり電話してきて借金の依頼。

あんた?

しかもそれが人にものを頼む言い方か!?

外車に乗ってて会社構えてひとり社長で!?

しかもあれだけ嬢になった私をバイ菌扱いし

てその金を貸せと!?

腹立たしさを我慢して

「何で?理由は?」

「母さんたちには言わんでほしいんだけど

今、金利高いとこからちょっと借りてて

さ。」

「いくら?」

「700万くらいかな。」

「ちょっとじゃないじゃん!!何やってん

の!?」

すぐに母に電話をした。

「弟が700万借金してて私に貸してって言っ

てきたんだけど!」

「ええっ!?弟が!?しかも700万……!?

借金なんて世間様に恥ずかしい。弟に電話し

て今からそっちに行くわ。」



父母、弟、私で話す。

「弟、何で借金なんてしたの?」

「会社が……今、仕事なくて……。」

腹が立つ!!

「じゃ会社畳んでどっか働きに行けばいいで

しょ?仕事もなかったらどこか応援でもあれ

ば行かせてもらえばいいじゃん!!」

見栄っ張りで一度社長となったからには

他で使われるのが嫌なのだ!

母は

「あー。恥ずかしい。恥ずかしい。弟、5万

とか10万ちょこちょこ貸してって言ったのは

そういうこと?金利金利で大変なことになる

わ。あー何で……!?まさか弟が借金なんて

…………。。。」

「…………。」

普段大人しい父が初めて口を開いた。

「お前は何やってんだ!?700万なんて大金

よくお姉ちゃんに貸してなんて言える

な!?」

弟は黙りこんだ。

そして父母が

「恥ずかしながら私たちはそんな大金持って

ないからどうか弟に貸してやって。この通り

…………。」

と頭を下げた。

そして連られて弟も頭を下げた。

「姉ちゃん、お願いします……。」

初めて姉ちゃんなんて言われた。

あれだけ嬢をこきおろして

気持ち悪い、食器も触るなと言った弟が

そのバイ菌からの金をあてにしている。

何て身勝手なんだろう。

お前はいいよな。いつも父母に守られて。

こんなことがあっても庇ってもらえて。

その時は怒られたことのなかった弟が

父母にこってり絞られたようだった。





内訳はサラ金5社信販会社1社だった。

結局700万返しに銀行のATMに一緒に行く。

「ありがとう。姉ちゃん、毎月必ず10日に

20万ずつ返済するから。」

姉ちゃんだって。

こっちが気持ち悪いわ。

金って人の言葉まで動かせるのか……。

金問題はこれでは終わらなかった。。。




つづく。。。