明るくてかわいい女の子です。
昨日の夜のこと。
しいちゃんに歯磨きをしようと誘いました。
でもしいちゃんは、「あとでする!」と元気に言いました。
しいちゃんは「あとでする」という言葉を覚えてから、マイブームなのです。
「しいちゃん、すぐに磨かないとダメだよ♪」
と言いました。
しいちゃんはベッドに逃げて、布団をかぶりました。
「こら~しいちゃん、じゃんけんしておかあさんが勝ったらすぐに磨くよ~」
とふざけて言いました。
二人で、
「最初はグー♪」
「じゃんけん、ぽん!」
「あいこでしょ!」
「しょっしょっしょ!」
としいちゃんは布団をかぶりながら元気に言いました。
じゃんけんは私が勝ちました。
「しいちゃん、おかあさんの勝ち~!はい、歯磨きで~す♪」
と言いました。しいちゃんは顔を出しました。
しいちゃんは本当は、じゃんけんができません。
何度も練習したけど、どうしてもできませんでした。
しいちゃんは「じゃんけんぽん」と言うと、何かしら出すのですが、
出したあと、必ず相手が出しているものに合わせてしまうのです。
しいちゃんは、相手の真似をしてしまうのです。
しいちゃんは、人の真似をすることも本当は苦手です。
でもしいちゃんは人の真似をして、それができて、誉められて育ってきました。
だから、人の真似をすることは正しいのだと思っているのだと思います。
しいちゃんは本当に健気だと思います。
顔を隠していたら、目をつぶったら、私が何を出しているのか見えなくて、
「あいこでしょ!」「しょっしょっしょ!」ができたのです。
しいちゃんとじゃんけんをして、「あいこでしょ!」「しょっしょっしょ!」になったことは今までなかったのです。
私はしいちゃんとじゃんけんができて、とても嬉しかったです。
そしてしいちゃんは目をつぶったらじゃんけんができるんだと知りました。
しいちゃんは私の真似をしなくていいのです。
しいちゃんは本当はやり取りが楽しいのだと思います。
でも自閉症だからそれが難しいしいちゃん。
これからは目をつぶってじゃんけんをしよう。
しいちゃんは目をつぶるとじゃんけんできるから。
すごいぞ!しいちゃん!
私は目をつぶったらじゃんけんできないもの。