二日目の朝



気温はマイナス、さいわい雪はまだだけどさすがに寒い


駐車場の車に行くと霜でバリバリだった







今日は後回しと思っていた床も残る土台に手をつけた



床板が残った一つの理由としてノリ付けされいた



ある年代にみられる施工方と言うか


いたる所がノリ付けされていて、さすがに悪戦苦闘した↓





ノリ付け部分以外、板やベニヤを力任せに引き裂きながら剥がす




剥がした木片は量を増やすばかり




基礎の周りも瓦礫が残っていて、外に出せば余計に散らかる






はかどらない作業に一休み






休暇してる所に隊長がやって来た





現状を伝える、隊長は学生のひと班を片付け隊に入れてくれた



彼らには斜面上から昨日外した土台を集めてもらった





俺は今日一日に終らぬだろうこの場所に、せめて後の流れを残せたらと考えた






昼はボランティアの拠点に戻る




辺りには無数の点が見える



そう見えたのは色とりどりの小さな瓦礫




第一段階に大きな瓦礫は片付いているが


地面には手で拾い集めほどの瓦礫が拡がってる




完全に終ったと言える場所がない印象も、活動が遅れて見える理由にも思えた





今取り掛かってる場所の周りも片付けるならと熊手を持って戻る




そこで先ず小さな瓦礫を熊手で等間隔に集める




その間に出来た場所に家の周りの瓦礫を集めた





片付けきる事は出来ないが集めて纏めるだけでも、見た目が良くなる



別に見た目でごまかす訳ではない





そうやって少しづつでも、みんながやってきた日々の成果を町の方に伝えたいと思った






そこへ隊長が廻ってきてくれた




学生達は片付け作業を進めてすぐ上まで来ていた





俺はかき集めた状況を隊長に伝えた



隊長も納得してくれた




一人でこんなにと言ってはくれたけど



仕事柄得意分野となれば大した進みではない




今日どこまでできるか、出来る限りにと伝えた





ぼちぼち終了時間




遠くに見える集合場所に人だかりが見える





学生達に声をかけ、先に戻して


道具を纏めて、遅れぬように俺も戻り始めた







近づくにつれ先に見えるその集団はまだ活動をしてるのが解った




そこに見覚えのある顔が居た





大槌の隊長!







昨日の晩の飲み会での事…



俺の隣には大槌の隊長



今回俺が来た理由を知る彼は、それに対して少し荒っぽく意気込むセリフを俺に言った





ずっとそれぞれに任された場所で頑張って来た彼ら



若い彼らには自分達に自負もあった




彼らの気持ちも解るが

俺はこう答えた





『どこが早い遅いじゃない!
おまえ達の意地も俺には関係ない!
どこであっても同じ結果だそうぜ!』





俺も酔ってたけど、確かそんな事を言った




その結果とは言わないが


大槌の活動を切り上げて、バス一台を引き連れて箱崎に駆け付けていた





集合場所前



大槌隊が側溝の仕上げを終えて


活動終了





今日も隊長達とバスを見送る






そして呉服屋さんにメール





『大して進まなくてすいませんm(__)m

でも今日は大槌の隊長が…

やっぱりみんな頼もしい仲間ですよ(^‐^)/』






戻った遠野はうっすら雪化粧





まだ日のある4時だけど路面は凍結






恐る恐る東京に帰った…




………





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12月


酉の市の片付けが終るとすぐに暮れの支度が始まる





この前福島に行ってる間に届いたメール





『いつこっちに来れますか?』



大槌での木登りや屋上の瓦礫下ろしの活動を、コーディネイトしてくれた盛岡の呉服屋さんからだった




この方、大槌では一人で土台外しを引き受けていた

箱崎にはまだまだその土台が残っている



詳しく事情を聞いてみた




それは少し前にこの方が若い各隊長と呑んだ時の事



遠野から3つの活動地


復興活動に入った陸前高田、着実に進む大槌


その中で少し遅れをとっていた釜石の箱崎



現地の状況もあっての事だけど


箱崎の隊長に発破をかけた


そして最後には



『俺がやってやる!』と





酒の勢いではあるが
気持ちは充分にある方




しかし



『やっぱり一人ではぜんぜんはかどらなくて↓』



出来ればまたチームにお願いしたいと言ってくれたが



チームの方は今月は宮城に入る事を決めていた




この方が若い隊長達に息巻いた気持ち

そして俺に連絡をくれた事


チームでは今はちょっとと伝えたが




『俺が助太刀します!』

と返信した





週末はチームで宮城の予定だったが、不参加の連絡をした


初めて入る活動地だったがあいつらなら問題ないし



俺は暮れの支度前の平日に遠野に向かった







ボランティアセンターの引越後、初めての遠野だった




6:00にセンターへ


先ずは陸前高田の隊長を起こして挨拶



俺を見て声をかけてくれる馴染みのみなさん



朝礼ではバスの運転手さん



他にも、今日の活動は決まってますか?と何人かの方に声をかけられる




ごめんなさい今日はと断ったが







皆さん一ヶ月ぶりの再会だけど、福島に行ってた分



ちょっと懐かしい気もした






今まで挨拶程度の顔見知りだった箱崎の隊長とは初めての活動



俺は自分で持ち込んだ道具を持って、隊長の乗る車で現地に向かう




車には他に2名の方


チーム箱崎として活動する方達




現地まで、皆さんの世間話から始まり初めて入る箱崎の様子を伺った





現地に着くと隊長と先に活動の打合せをした後


他のボランティアさんとの現地朝礼を終えて、一人作業に入った






なだらかな斜面の一角


20軒程の住宅の痕跡の基礎だけが残る



呉服さんが手をつけた数軒の続き


自分で持ち込んだ道具で、斜面上から土台を外し始めた





さいわい、外し辛いがアンカーボルトはなんとか回る




外した土台の片付けは後に一般ボランティアさんに頼む事にして、俺の作業は外し優先にすすめる





4、5軒が終ってちょっと休憩







住宅の大きさ、年代によって状況は様々だった




今のところは順調に進んでるが、先には床も残ってる住宅も見える



数をこなすか、手間のかかる場所に入るか


後の事を考える







『お一人なんですか~?』


通りがかりの方が声をかけてくれる




上の高台の在宅の方か、目の前の道に人が行き交う



皆さんが声をかけてくれる



確かに他の場所よりボランティア活動の送れはあるが、住民との距離は近いのがわかる




昼には、ボランティアさんにとひっつみ(すいとん)の差し入れまでいただいた




まぁ連絡不足に隊長が呼びに来てくれるまで、俺は一人活動場所で昼食を取ってたけど






戻ったボランティアの活動拠点の小学校跡


遅れてひっつみをいただいた





一輪車を一台借りて午後の活動を再開した




一輪車は持ち込んだ道具の運搬に使った






大小6軒を外してこの日の活動を終えた







センターに戻って寝袋の準備




実は今朝


朝礼でお会いした運転手さんが俺の顔を見るなり




『お前今日泊まりだろ!
今夜呑み行こっ!』と




横に居た陸前高田の隊長と共に誘われていた





隊長が隊長会議が終るまでしばし仮眠




なんせ今回も夜出発の朝着





遠野駅近い初めて行く居酒屋さん



集まったのは馴染みの隊長達に常連顔見知りのボランティアさん




久しぶりの遠野の飲み会





ここで知り合った人達とこの町で呑めるのはなんとも嬉しい




本日主催の運転手さんは地元岩手の方

いつも遠野に来たみんなと呑みたがってるらしい




歳は60過ぎかな



誰かが言った田中邦衛似(笑)




酒が進むと決まって



『本当みんなありがとなぁ!』

と涙を流す泣き上戸で




今夜も何回聞いたか(笑)




そして二言目には



『ほれ○○~呑んでないぞぉ!』と



下がる目尻をさらに下げる




このオヤジさんの言う通り



この震災に、ここに駆け付けてくれた若い奴らとこうして呑めるのが本当に嬉しいと


俺もそんな場面に居合わせて地元のオヤジさんと呑めるなんて本当に嬉しい!






しかし、


寝不足の酒はやたらと回る…






………





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明日で11月も終り



東京で酉の市の片付けがあるから

今回の活動は今日で終り








今日は一グループが参加



の予定だったけど


時間を過ぎてもまだ到着しておらず



なんとか連絡が取れると
道を間違え迷子になってるとの事!



俺はこのグループを引き連れて墓地の側溝の続きに入る予定だったけど

到着まで引越し班の手伝いにまわる事になった







前日と同じ避難所



昨日、声をかけてくれたお爺さんの引越し




そこには昨日の親子の顔もあった





なんでも布団の支給があるとかで

一人暮らしのお爺さんの少ない荷物と
昨日の親子の布団も運ぶ



新しい布団の運搬もあるので今日は代表の車も借りてきた




でも布団はカサの多さから布団は軽トラに

代表の車に引越荷物となり
親子も一緒に乗っていく事となった






助手席にオヤジさん、後ろの席に息子さん





車を走らせるとオヤジさんが言う


『狭い仮設だけど、これからやっと我が家だ!』



続けてオヤジさんは、仮設周辺の環境やこれからの事を話してくれた



今日からの期待と


この先の不安




行政や東電の事も話を聞かれたけど

俺に返せる答えは無かったけど





『親子水入らず
ゆっくり正月を迎えてください!』と





荷物を下ろして避難所に戻る途中に代表から電話


グループが着いたから直ぐに戻れの指示






センターに戻ってグループと合流

女性を筆頭とした若い男の子達だった





体育館でミーティング


いつもより長い代表の説明?





やっと出発!






先頭を走る代表

現地に着く前にもトイレの確認をしたり



若い女性にはやけに親切な代表






まぁここでの活動は男性ばかりで
俺より年上の方が多い






たまの若い女性にはやっぱりね(苦笑)







現地に着くと時間は12時前


先に昼食を取ってからの活動にした






作業内容は一昨日の側溝の続き



時間は短いが今日は残っている道路の下の側溝を繋ぎたい



道路下の側溝を完全に抜くには道路を掘り出す事になるかもしれない

その場合は復旧まで



少しキツイ作業にみなさんの了承もえて作業開始!




まず6人グループの3人に左側の、一昨日に隣町グループが残した側溝の掘り出し


他の3人には、道路に積み上げた土のうを、道路下の土留めに積み直してもらう


俺は道路下の側溝左側に着手




掘り出して解ったのは、土管でなく同じ側溝が通っている事


そして蓋代わりに、コの字型の側溝の一辺を取ってL型にした物が使われてる事



右側より高い左側


目一杯に泥が詰まっている




やむを得ず道路を掘る事にした






土のうの積み直しが終えた3人が右側からスコップで泥を掻き出す



後ろの側溝の掘り出しも繋がり、俺が掘る道路下にも水が流れ出した



水はわずかに右側にも流れていたが

スコップでは泥をしゃくうにも押し出すにも真ん中の2㍍程が届かなかった





そういえば確かと


墓地の脇の瓦礫置場に向かう





俺は細長いパイプを拾い出した


たぶん元はビニールハウスの支柱だと思う3㍍程のパイプ



折れ曲がってるパイプを道路に踏み付けやや真っすぐに戻し

左側から側溝に突き刺す!





中の泥はかなり固まって思うようには抜けない





休憩




今日の若者達は仲の良い友達同士で
休憩中もバカを言って盛り上がってる



その中に一人だけ外国人の若者


さっきは自ら
側溝の右側からスコップで夢中に掻き出してくれていた


片言の日本語だけでなく、元から少しトボケた男の子でみんなから茶化されてるそんなお茶目なキャラ




俺が他の子と話してるうち

気がつけば、一人また側溝を掻き出していた





『○○ー君!まだ休憩時間だよ!』



俺も一緒に茶化す



『しょんがない!
団体行動が取れない○○ーに付き合ってやるか!(笑)』


と作業再開!






残る時間は、左側の側溝の仕上げと道路の清掃をみんなに頼む




俺はひたすらパイプを突き刺す



反対側からもひたすら掻き出し





差し込むパイプは少しづつ奥に進み

感触も少し柔らかくなった



いける!





そして…





カチン!





ついにパイプが反対側のスコップにあたった!




『貫通~!』




その声にみんなが集まってきた



中を覗き込んだり、写真を撮ったりと大はしゃぎ↑



最後に道路の復旧



側溝の蓋を戻し、よけておいたガラを詰めて


土のうで押さえこむ



最後に砂利を敷き詰め踏み固めた




今回、俺が任された側溝が最終日までに繋がった



区切りの良い達成感



なにより頑張ってくれた皆さんに感謝です




………




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