私が数年前トリマーをしていた時を思い出した。
私が働いていたペットショップは総合ペットショップで、
犬、猫、魚、鳥、その他ペットグッズ、ペットホテル、クリニック、
美容室があり、その辺りでは割と大きなショップだった。
私はそこの美容室でトリマーとして7年間働いた。
あるお客様、うちのショップで売れたシュナウザーが
美容室にも毎週来ていた。
そのコは、ちょっと噛み癖があり、わがままで、トリミングを
するにはちょっと手がかかるコ。
ある日そのコのママが、
(飼い主さんのことを家族のように言うので私達は、
ママ、パパ、お姉さん、お兄さんと呼んでいる)
私に
「うちのコねー、すぐ吠えるのよーぉ。
お兄ちゃん(小学生)がねーお散歩連れてく時もすれ違う犬達に
すっごい吠えて迷惑でしょー、だからねー、
おたくの獣医さん(A先生)に声帯切ってくれるように
今お願いしてきたとこなんだけどーぉ、、、
ダメだっておっしゃるのよー。
なんとかひまわりさんからもお願いしてよーぉ」
と。
百歩引いて、気持ちわからんでもない。
確かにそのコはうるさい・・・。
でも、ね、、、ママ。
獣医さんにも出来ることと出来ないことがあってさ、
多分、世の獣医で今時声帯切る手術やる獣医、
いないよ。
虐待やね、それ。
声帯切除する獣医は心無いか、金儲けか。
私はA先生(ベテラン獣医)にそのコのママからお願いされた事を
言ったら、A先生は
「今時声帯切ってなんて依頼受けるとは思わんかった」
と苦笑い。
なんせ、犬がかわいそう。
これこそ人間のエゴ。
ここは苦笑いに終わった。
が、
こんな事もあった。。。。。
病院の患者さんで白血病のGR(ゴールデンレトリーバー)
がいた。
もう、
助からない。
※犬の骨髄移植は、人間の何百倍、何千倍と難しい※
高熱が続き、そのコの病状は悪化する一方。
私もそのコが日に日に弱っていく姿を見ていた。
オーナーさんが毎日お見舞いに来ていたが、
そのコは起き上がることもできず、ぐったり。
少量の力を振り絞って
やっとシッポを少し振るだけ。
A先生はそのコが心配だからといって病院に泊まったりして
看病していた。
ある日、A先生は決心した。
ちょっと前にオーナーさんからある事をお願いされていたのだが、
その決心。
目を真っ赤にし、涙ながらに・・・
「○○ちゃんはこのまま治りません。
治してあげることが出来ません。
私もかなり自問自答しましたが、
いづれは天国に行くことが決まってます。
・・なら、もう苦しいことはやめにして、
オーナーさんのお願いどおり、
安らかにお見送りしましょう。
私の力不足で申し訳ございません。」
『安楽死』
A先生はオーナーさんが帰った後も落ち込んでいて、
『こんなことをする為に獣医になったんじゃないのに・・・』
みんなで泣きました。
○○ちゃん、辛かったよね。
でも一生懸命に生きたよね。
ちゃんと見てたよ。
頑張ってたよね。
辛くてもパパ、ママと一緒にいたかったかなあ。
人間の身勝手だったかな。
どう思ってるか、最後に聞きたかったな。
天国ではたくさん遊んでる?
またいつか、会いたいね。