ライブをした後はいつも思うのですが、猛烈にライブがしたいです。
ライブをすると新たな気づきや経験を得られるので、自分がもの凄くアップデートされたように思えるんですね。今やったら最強や!みたいなモードに入ります。ハイになっているんでしょうか。
しかしそれは幻想で、一日二日ではそんなガラリとは変われません。そのうち夢から覚めてしまいます。でもそうやって少しずつ、一歩づつ成長してくんだと思います。
昨日は以前一緒にバンドをやっていた友人と話しながら帰ったのですが、「なんか演奏変わったね」と言われました。話してみると聴き手側を考えた音色や音量、先輩としてのバンド内の立ち位置から来る演奏の変化があったようです。
これまではみんな友達で対等な関係だったので、たしかにそうかもしれません。
しかし、変わらないこともありました。
それはメンバーを立てることです。
基本的に自分はバンドメンバーの演奏が大好きなので、みんなにもこのカッコよさが伝わってほしい!みたいなスタンスで演奏してます。
メンバーとメンバーの演奏を繋ぎたい、メンバーとお客さんを音楽で繋げたい!という思いはまだ演奏に出ていたようです。自分はそもそもそういう認識がなかったので、良い気づきになりました。その友達に自分の演奏がちゃんと届いて嬉しかったです。
それが今回の本題です。音楽で伝える、繋がるということ。
音楽とは言葉を使わない言語だと思っています。歌モノは歌詞がありますが、歌詞に書かれていない部分のほうが重要だと思っています(私の歌詞論についてはまた今度ブログに書こうと思ってます)。
絵空事だと思われるかもですがこれは結構あって、例えばメンバーの仲に見えない軋轢があると自然と演奏も噛み合いませんし、演者側にやる気がないと演奏が良くてもお客さんがノッてくれないことも多いです(これはプロでもある)。
言葉に切り取ることはできないので、「ロックとはなんぞや?」という問いに私は答えらません。
「生き方」かもしれないし「破壊と創造」かもしれません。「青春」ではあると思いますが、それがすべてでも無いでしょう。
しかし、演奏にミスがあろうがチューニングが狂ってようが、この気持ちを、この衝動を全力でぶつける。ロックではこういうことをします。言葉にできない部分を、言葉にしないまま伝える。そのために私は音楽をやっているかもしれません。
もちろん技術はあるに越したこと無いんですが、前提としていちばん大切なのは心だと思います。
毎月抄にも「所詮心を詞とを兼ねたらむをよき歌と申すべし」とありますが、大切なことは昔から変わっていないようです。
今回、一緒にバンドをやってくれた後輩から
「できるできないじゃなくて、勢いさえあれば、楽しんでやれればそれでいい、などと何ともロックらしいことをたくさん学べた気がします。」
というメッセージをいただきました。
先輩としてちゃんとやれたかはわかりませんが、いちばん大切なことはちゃんと伝わったようです。