実家のお墓のことがずっと気になっていた。

 

母が亡くなった時に私が実家のお墓の都立霊園の使用権を承継した。

姉は嫁いでいる身だし、バツイチの私が引き継ぐことになった。

年間の管理料は5110円だからそれほど負担は大きくはない。

 

ところがお墓まいりが年々キツくなってきた。

私が今のマンションを購入出来たのも母の遺産のおかげなので年に3回、春と秋のお彼岸とお盆には必ずお墓参りをしていたが私が乳がんに罹患し、しかも2年後に骨転移し、その後再発転移はしなかったが、腰が痛くてお墓の掃除が辛くなった。

特に夏は雑草が生える。

姉夫婦が玉砂利を撒いてくれたのだが、それでも雑草は強い。抜いても抜いても生えてくる。

2年前の夏に姉に電話して除草剤を撒いてもらった。

その後は姉が来た様子はない。

いつもほったらかしなのだ。

 

昔はお彼岸には私が行くと既にお花が供えられている時もあった。

それは母の弟がたまにお参りしてくれていることは知っていた。

しかし叔父も高齢となり、今は私しかお墓まいりする人はいない。

うちの息子たちは忙しいので頼めない。

 

私が元気に歩けるうちは帰りにお寺や観光地に寄ったり、せっかく都心に来たからと何処かに立ち寄ったりしていたがこの前の春のお彼岸には腰が辛くて杖をついて行ったが何処にも寄る気力もなくて真っすぐ帰ってきた。

片道約90分の道のりだ。バスが直ぐくれば良いのだがこの前はバス停で15分も待った。

そんなこんなで「墓じまい」を決心した。

 

折よく「霊園再生計画」の案内が来ていた。

電話して聞いてみると今の霊園を整備して「樹林型合葬式」や「立体埋葬施設」ができるらしい。

私はNHKのドキュメント72時間を観てから樹木葬に興味があり、私のお墓はそれにしようと決めていた。

 

今の霊園は整備され令和6年度から工事に着工するそうだ。

樹林型は直ぐに完成するので来年度すぐにお墓を移せるかもしれない。

しかも墓所返還特例措置で無料で出来るそうだ。

かかるのは納骨式のお坊さんのお布施だけ。

年間管理料もずっと安くなる。

 

姉に電話して説明し了承を取り付け7月から申し込み予約が始まるので直ぐに申し込むことにした。

これで少し肩の荷が下りた。