生成AIの爆発的な利用拡大で懸念されているのが、急増するデータセンターによる電力需要の増加だ。この分野で世界をリードするアメリカを見ても2030年には電力需要量の大幅増が予測されている。大手IT企業のなかにはその電力を停止した原発を復活させてまかなおうとする動きも見られる。日本はこの10年近く発電量が減っているが、急増するデータセンターによる電力需要を満たすためには原発の増設が必要だとの声も上がっている。

 

 電力需給の逼迫は電気料金の上昇をもたらす。その結果、企業や家庭は自家用の太陽光発電や蓄電池を設置することで、その高い電気料金から逃れようとすることは容易に想像できる。そうすれば再エネ賦課金や電気料金にかかる消費税などからも逃れることが出来る。高市首相が推薦するペロブスカイト太陽電池がそれに一役買うはずだ。IT企業も安い電力を求めて再エネや原発による自家発に向かうだろう。データセンターなどは今のように千葉県印西市などではなく、再生可能エネルギーや原発などに条件の良い北海道や九州などに建設されるようになると考えられる。

 

 その結果、火力発電所の廃止もあって大手電力会社の売り上げはその分減るが、原発や送電網などの維持費は変わらず、経営はどんどん苦しくなる。自家発を設置する経済力のない顧客は電力会社の高い電気料金に苦しみ、国の支援を求めてくるはずだ。電力会社は経営が傾く前に、データセンター需要に個別に対応するとともに、一般の顧客に対して個人で太陽光発電や蓄電池を設置する手軽なレンタルやリース方式により囲い込みを行い、エコキュートも含めた遠隔操作によるデマンドコントロール網を構築していくべきだ。