2255   江戸は世界最先端の都市だった

2025.11.4

 

 世界は今、混乱の真っただ中にある。温暖化の影響や各地の紛争によりエネルギーや食糧危機が深刻な問題となっている。各国は相互依存から自給体制に移行しようと努力を進めているが簡単ではない。

 

 そこで参考になるのがかつての江戸の町だ。当時の日本は小さな国土で自然災害が多発、人口も多く、江戸に人口が集中していた。そのうえ、幕府の鎖国政策のために外国からのエネルギーや食糧や原材料の輸入はほとんど出来なかった。それでも人々は勤勉に働き、噴火、洪水、津波、地震などの自然災害から何度も立ち直り、食糧は自給し、エネルギーも薪や炭を作って使っていた。新田を開発し、人口も増加させた。領土の拡大を試みず、国内での開発と生産性向上を図っていた。


 物資が足りない分、あらゆるものをリサイクルすることを徹底していた。人々が出す糞尿でさえも江戸の住民への野菜や農産物の供給源である周囲の農村に還元していた。薪や炭は今でいうバイオマス発電と同じで、二酸化炭素ゼロの仕組みだった。飲み水は長い水路を作って遠くから引き込み、物を大事にし、灯油は高価であり活動は昼間に限り、自然に負担をかけないようにする生活態度は子供の時から教え込まれた。


 武器を武士以外には所有することを禁じ、武士もやたらには使えないようにしていた。商人も独自の商業道徳を確立して家訓などにしていた。規則でしばりつけるのではなく、町内ごとに自治をさせ、祭りや行事などをうまく使って協力と監視を兼ねた防災や治安を行っていた。江戸の人々はやや窮屈ではあったが、ルールに従ってさえいれば、それなりに楽しく暮らせた。


 これらはすべて今、SDGsなどで世界中がやろうとしていることと対比出来る。それを150年以上前に達成していた江戸は、当時の世界最先端の都市でもあったのであり、もっと注目され世界の手本となってよい。