拳と楯 外伝ー再起の時ー ③「終着へただ進む時」1 | 言葉を極めたい 文矢達林のブログ

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集学園グループ本部 会議室


退院したばかりの香澄 華、香澄の入院中に混乱の学園を建て直そうとして奮闘していた伊佐楽部 絃が臨時総監と代表役員6名の出席の上で査問会議が執行された。


「俺達は悪いことはしてませんっ、悪いのは」

「だとしても、集西を解体しなければ、それに病巣は取り除かなければ行けないっ」

「だから、私は集西を」

「これは有無校長のミスだ」

「子供が」と遠慮なしに飛び交う役員達の言葉の数々に、香澄は精神が狂いそうになる辛さを禁じ得なかった。それを伊佐楽部は静かに決意する


(あいつらを許せない 罰を与えてやる 警察が頼りにならないのなら、楯山支矛を頼るしかない)と伊佐楽部は香澄と二人で拠点にしている廃工場近くに足を運ぶ


「棘と播些部の行方はわからない だが、集西有司の潜伏先はわかった。g県m市だ」

「楯山、お前のボス 八重葎荘はお尋ね者でいい噂を聞かない それでも」

「俺は世界を変えたいんだ この理不尽だらけの世界を だからってアウトローなやり方にこだわるつもりはない」

「楯山君、あなたは信用出来る だから」

「俺は慈善事業家じゃない 報酬目当てじゃなくて仕事でならやるタイプだ 棘をまず懲らしめる それにあの査問会議は臨時総監の息のかかった連中で構成された不公正な晒し場だったんだよ」

「っ」

「そうか、俺が感じた違和感と不快感は」

「集学園グループも終わりだな、集西有無以外は」

「有無先生以外は」

「集学園のパトロン、バックにいるのは黒の解体会だ 警察が腐敗した原因、その団体さんは集西親子の親戚が大金注いだ怪しい事業で勢力を拡大した。教育関係の人間からは嫌われているヒールの一種だ 俺がここまで辿り着くのにはかなり手を焼いたよ」

「黒の解体会か、小学生が考えた組織名称で、中身は社会人の悪業みたいな実態か」

「伊佐楽部、香澄 覚悟は出来たか、もう普通には戻れないぞ」

「もう逃げるつもりはない」

「私は、私のように大人の事情で苦しむ誰かを見たくない 乗ってやろうじゃない 修羅の道やら覚悟とやらに」


楯山は香澄と伊佐楽部という協力者を得て、集学園グループの事件に決着を付ける思いを固くした。


つづく