楯山が去るのを確認した百日紅は話を始めた。
「過度に信用は出来ません」
「わかっている。だが、楯山を疑えばキリがない」
「私は他人を余りあてにするのは止めているので、あなたは別ですよ。八重葎閣下」
「閣下はやめてくれ、百日紅よ。お前の懸念も理解は出来る。少し様子見だ」
「なるほど、ある学園グループと過度に接触したくない。確かにあの学園グループは一部で足並みが揃ってないとある書籍で情報を掴んだ」
「私はある書籍だけで信用は出来ないが、それ以外に情報が手に入りづらいからな」
「嫌なものにだけは縋りたくないですね。やむを得なしかと」
「とにかく、楯山がヘマをしたら、百日紅」
「はっ」
「お前にも動いてもらうが、基本は奴に一任したい」
「畏まりました」と八重葎が去るのを確認した百日紅は、心中で彼の視野を遠回しに批判したような顔色をしていた。
プロローグ 終わり