真壁達の進める作戦の知らせを手に入れた入田と新間は、姿の見えない那賀のいないこのチャンスを使うことに決め、動き出そうとしていた。
「羽村君、それは本当か」
「本当です。真壁達が元八重葎グループの生き残りを捕まえる作戦を始めたと」
「真壁君とやり合うのは見送りね」
「零香さん」
「一衣の情報が確かじゃなかったら、真壁と那賀との闘いも覚悟していたけど」
「ありがとうございます」
「さて、俺達は暴れる前の那賀先生が現れないうちに真壁君に会いに行きますか」
「一衣はどうするの?」
「ここに置いていたら那賀のえじきになりかねない」
「一衣君も連れて、真壁達と今後の話でも花を咲かせたいな」
「余り過度な期待を相手に抱かせては泣くことになるわ、彼らに対して」
「いや、彼は俺よりも現実的だ」
「わたしも真壁往人は、拳等優矢の再来とも噂されていますが」
「拳等のやったことを体験した真壁は、別の道を提示して進む。同じ愚はやらない可能性が高い」
「真壁往人、彼の怖さを警戒しつつ言葉を交わさないと」
「俺達のやることと真壁のやること、重ねることに少しだけ願おう」
こう語りながら。羽村、入田、新間は、真壁達の話し合いに向かっていった。
⑤(7)に続く