喪失の好敵手⑩「佐薙と入田、避けられない激突」1 | 言葉を極めたい 文矢達林のブログ

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「優矢」とかつて一緒にいた優矢を思い出しながら考えに耽る佐薙。

伊香保喧争の前、初めて優矢や久査と出会った日から優矢と真壁の最後の闘いまでを回想していた。

「結局、優矢が抱いたことを真壁君達でさえ理解しなかった、あたしはもう決めた、真壁君達より早めに入田を止める、そして、優矢の歩もうとした道を継ぐ」

自嘲のように言った佐薙は、「あたしだけでも優矢の目指そうした何かの理解者でいたかったのは変わらなかったか」

佐薙が行動するのを決めた同時に、入田は対真壁への士気鼓舞に、宣言をしていた。

「私は、真壁も拳等も八重葎も認めたくない、私の最終目的は雷蜘や土竜以前な不良の居場所の復活」

「ええっ」と新生蟷螂のメンバーは動揺や困惑を隠せなかったが、那賀はそれを笑いながら入田を揺さぶりに掛けようと動いた。

「それは不可能よ、八重葎荘の力に怯えた連中の大半は真壁君達に付いている」

「私が言いたいのは、一から再構築した居場所の生成」

「入田さん」
「貴方が私に反逆の太刀を剥けるなら、貴方も私の作る明日の敵!」

「理解出来ない、入田様は混乱してるんだ」
と一人を発端に、入田を賛同していたメンバーはボイコットし、入田に対して暴動を起こすくらい反発が拡大した、僅かに従うメンバー以外の反抗により、新生蟷螂は瓦解した。

それを聞いた新間は、高笑いをし、「入田ああ、お前は終わりだ」と言った後、即、中立を掲げる紫鋏と稔森率いる中立派を僅か少数で崩し、中立派崩壊まで追いやり、中立派を弱体化に成功、新間派は撤退。

中立派に勝利を収めた新間は、次のターゲットに那賀に決定した。

新間派、本拠地

「勝利して撤退は不満だが、弱った中立派はそのままにし、入田潰しに使う」
新間は、部下に説明した。
「新間さん、入田と闘う必要はないんじゃ」
側近の一人が言うと
「奴には退場して貰う、嫌な予感が強いからな、それに那賀も危険だ」と側近の問いに冷静に答えを下した。

「新間さんに敗北は許されない、我々が真の明日を築くためだ、新間さんに牙を剥けるなら、立ち向かう、我々はもう、八重葎や拳等のようなリーダーから決別する」

「真壁を追放するべきだ、真壁がリーダーなんて、我々は認めるか、新間さんみたいな人以外に適任者は存在不可」

側近の会話に、確証を得た新間は、手始めに入田を叩くことにした。

「俺が味わった辛さをお前にも味わって貰う、零香」

そう心中に吐露した新間は、一人そう決めた。

味方を失い逃走する入田の前に、佐薙が入田の壁という存在として現れた。

「入田様に刃向かう愚者め」
と残ったメンバーは佐薙を阻止しようとしたが、一瞬で倒された。

「は、まさか、貴方が私の前に来るなんてね、佐薙っ」
「貴方の野望いや妄望を終幕させる、あたしの誇りの全てを賭けて」

入田と佐薙、二人の闘いは開始を告げた。

続く