拳と楯 32 | 言葉を極めたい 文矢達林のブログ

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「確別」③

奈良を占領した優矢は、一旦、北関東に戻ることになり

真壁は、これをチャンスに、楯山より先に対談を申し込んだ。

対談場所、栃木・間々田

「久しぶりだな、こんな再会になるとは、皮肉だな」
「優矢、お前」
「拳等君、いや、優矢君。貴方に1つ話すわ」
「どうぞ」
「菜恩寺君と戦ってから、貴方は変わっていき、でも、貴方がわからない、今はね」
「センチメンタルなのは変わんないのが、那賀らしいな」
「拳等、お前はどこに行くんだ」
「さあな」
「言えよ」
「待て、緋塚。優矢、お前は俺達の敵なんだな」
と真壁が言う、それに対しての返答は
「言わなくても、自分と真壁は敵だ」
「それを百日紅や稔森にも言えるのか、お前はっ!」

「話は終わった、次に会う時には明日を懸けた戦いの場所になる、待っている、真壁」
「優矢ーーっ」
菜恩寺君、貴方は彼を道連れにしたのね、変わろうとした彼を、彼の明日を根こそぎ奪ってだけど。
「真壁君、行きましょう」
「わかった、すまない那賀」
「貴方には大変にお世話になったもの、これからも尽くせることは尽くそうって決めたから」
「那賀さん、ごめん」
「緋塚さんの気持ちもわかる、でも」
優矢君、貴方は悲しいわ、貴方を認めてくれる人の涙さえ捨ててしまう貴方は、本当に敵になたのね、さよなら

優矢一派拠点、大和西大寺

北崎、自分はもう後ろを向かないさ、お前が裏切ったんだ。お前とはもう

バタッ

「ん」
「優矢様、どうでしたか、真壁さんは」
「ああ、やる気満々だった、感謝するぞ、蚊納」
そこにいたのは、かつて菜恩寺同様に負けた敵だった蚊納の姿が見えた。
「優矢様には無礼をした罪滅ぼしと、那賀さんが気に入らない心を無くすために、貴方に仕えることを決め、貴方の軍団に恥を晒しても加えてくれた私の本心です。貴方に拾われて今もそれが離れない、素晴らしいことなのです。」
「蚊納、すまなかった、その代わり、お前には自分の明日を語る記録者でいて欲しい、大丈夫か」
「は、はっ、嬉しき言葉」

さて、始めるか、菜恩寺、お前の悲しみを消してやるからな、お前に出会えて良かった

真壁、そして、楯山との戦いの前に、優矢は、埼玉喧争から今の間のことを蚊納に語り始めた。

続く