君のいない迷路 218 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

微妙な空気になってたけど

池田君のカクテルが場を和ませてくれた

結構アクティブに動き回ったので疲れもあり

池田君のアルコールのさじ加減も絶妙で

日付が変わる前には全員ウトウト(笑)

そのまま就寝した

 

シーンと静まり返った部屋

カーテンの裾から

柔らかい朝の光が

遠慮がちに入り込んでいた

 

3人ともまだ夢の中の住人

ゆっくり布団から抜け出して

リビングを出て2階の部屋に向かった

 

ちょこちょこ部屋に入ってるんだけど

ずっと留守のしてたような感覚

そのまま窓まで行ってカーテンを引き

窓を開けた

 

これが僕の日常 ・・・

3人が帰ったら

この日常が戻ってくる

そう考えたら寂しさが押し寄せてきた

 

日本に居た頃

ずっと一緒に居たわけじゃない

会うのも週に一回とかだった 

(3月の会う回数は異常だったけど)

だから、会えない日が続いても

左程寂しさを感じなかったのに ・・・

きっと、いつでも会える距離に居たからなんだろうな ・・・

 

自分でもらしくないなって思う ・・・

 

大きく深呼吸をして

着替えを済ませて

ドアを開けると目の前に彼が居た

 

「おはよう ・・・ 大丈夫?」

 

心配そうな顔をして

僕の顔を覗き込んだ

 

「おはよう ・・・ 

 もう、起きたの?」

 

明るい声で彼の顔を見上げる

 

「うん、智が部屋を出てく時

 目が覚めた ・・・

 ここで起きるのが4日目 ・・・

 これが日常になればいいのに

 そんな事を考えてたら寂しくなった」

 

彼は今の想いを口に出してくれた

 

「少し中で話す?」

 

自分でも驚く言葉を発してしまった

彼も驚きを隠せないのか

ちょっと戸惑いながら

「良いの?」って聞いてきた

 

「二人は寝てる?

 起きてるなら下に行った方が良いけど」

 

「そこは気にしなくていいよ

 二人にとっても

 ここは家みたいなものだから

 腹が減ったら何か作るよ」

 

「それなら、どうぞ」

 

そう言えば

彼がここに入るのは初めてだ ・・・

 

「智って几帳面だよね

 凄く綺麗に片付いてる」

 

部屋を眺めながら

椅子に座った

 

「それはどうかな?

 物が少ないからだと思うよ」

 

彼の実家の部屋が散らかってたのは

整頓できる許容量を超えている

物の数の多さ

それに気がついてはいないと思う

 

「そう?」

 

どっちかと言うと

この部屋はガランとしてる

 

「うん、帰国の時に荷物が増えるのが嫌で

 極力、物を買わないようにしてるんだ ・・・

 だから、整頓されてるように見えるだけ(笑)」

 

「そうかな~

 俺の部屋は物が少なくても

 全く片付かないけど」

 

「ふふ ・・・ 櫻井は物が多いの

 絶対に使ってたい物沢山あるはず」

 

これは太鼓判を押せる

だって昨日の

「ぬいぐるみ買おうかな」の発言を考えても

成り行きに任せて買うことが多い

 

「それは言えてるな(笑)」

 

可笑しそうに笑う

何だか、先までの自分が恥ずかしくなってきた

 

「ふふ、自分で認めてどうするの

 そこは必要な物ばかりだよとか言わないと」

 

「智の前では取り繕わないって決めたんだ

 俺はポンコツだし ・・・

 君がいないと使い物にならなくなる

 朝起きて最初に思ったのは

 明日が来なければいいな ・・・ だった

 寂しいのは仕方ないよ

 寂しいんだから」

 

「うん、そうだな

 僕も寂しい ・・・

 こんな寂しく感じるなって思ってなかった

  ・・・ 早く ・・・ 帰国したいよ」

 

思わず零れ落ちた本音

彼は優しい笑みを浮かべて

僕の背中に手を置き

 

「帰国の日を首を長~くして待ってるから

 急がなくていいんだよ

 やり切って帰ってきて」

 

「ありがとう

 やり切って帰る」

 

 

ノア、ごめん

僕はこっちには残れないや ・・・

一番大事な物が何か

ちゃんと分かったから

 

 

 

 

 

<続きます>