君のいない迷路 197 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ガイドブックには書いてない

穴場の絶景ポイント

彼らはその場所をチョイスして

車で回ってくれた

 

「この公園内にはいくつもの滝があるんだけど

 この季節は水量が低下してて

 ちょっとだけ残念なんだ」

 

助手席のノア後ろを向いて

説明してくれる

 

ガイドブックに載ってるのは

水量が豊富な滝の写真で

「必見!」って文字が

でかでかと書いてある

水量が少ない時期などの但し書きは

小さい文字で見落としがちになる

 

「そんなに違うの?」

 

俺の隣に座る君が

興味津々に顔で尋ねる

 

「ああ、雪解け水が豊富なのは

 4月から6月上旬なんだ

 それを過ぎちゃうと一気に水が減る

 ミラーレイクの水も半分くらいになるから

 ガイドブックの写真とは全然違うって

 がっかりする人も多いよ

 見たら分かるよ」

 

「じゃあ、そこに向かってるの?」

 

「秘境だからね

 水が少なくても見る価値はある

 有名なハーフドームも見れるよ」

 

「ってことは ・・・

 春が一番綺麗なんだ」

 

君が残念そうな顔で呟いた

 

「智も初めてなの?」

 

「うん、初めてだよ

 来たばかり頃は

 環境に慣れるのに精一杯で

 6月過ぎた辺りから余裕が出来た」

 

「じゃあ、今度は春に来ようよ

 何時になるか分からないけど」

 

「俺達も一緒で良いんだよな」

 

後ろに座ってた内田が

背もたれに手を置いて

前のめりで聞いてくる

 

「勿論、ローダンセでだよ」

 

内田の場合、新婚旅行でも良いんじゃないの?

そう思ったけど黙ってた

 

「智、頑張って旅行積立しような」

 

肩を叩かれた君は

苦笑いを浮かべながら

「そうだな」って頷いた

 

「次に来るなら

 さっきのホテルに泊まるのはどう?」

 

池田が提案するけど

君も内田も唖然とした顔をする

だってハードル高すぎだろ

あのホテル

100年くらい前に公園内に立てられた

リゾートホテルで

かなり高い ・・・

ランチで面食らってたのに

大きく出たもんだ

 

「何年かかるかな ・・・」

 

君がぼそっと呟くと

内田が笑いながら頷く

 

「5か年計画だな」

 

毎年来る場所でもないんだし

それくらいなら貯まるはず

 

「それまでどこも行かないの?」

 

どんどん現実的な話になっていく

 

「ふふ ・・・ 凄くシリアスな話になってるね

 こっちに来るなら

 僕かトニーの家に泊まれば良い

 あのホテルなら格安で泊まれるよ」

 

涼しい顔で話すノア

忘れてた ・・・ 彼らはセレブだ

また招待されてしまう

 

「毎年遊びに来ればいいんだよ」

 

トニーも軽い口調で話の輪に加わる

 

「それは無理だよ

 20代半ばの若造が

 毎年アメリカ旅行は出来ないからね」

 

君がやんわりと断りを入れると

ノアもトニーも寂しそうな顔をした

 

「確かに毎年は無理だな

 3年後か5年後辺りなら可能だけど」

 

彼らからしてみたら

かなり先の話になる

君が日本に帰ったら

そのまま縁が切れるかもしれないって

不安もあるだろうな

 

「ノアとトニーは

 日本に来る予定は無いの?」

 

君が唐突に聞くと

二人の顔がパッと明るくなった

 

「行きたいって思ってる

 案内してくれる?」

 

ノアが後ろを向いて

期待値Maxの視線を向けた

 

「勿論、どこでも案内するよ」

 

「やった~

 トニー、スケジュール調整して

 日本旅行の計画を立てよう」

 

「そうだな」

 

一気にお祭り騒ぎのムードに変換する二人

ここまで良くして貰ったら

俺達もお返しをしないと

 

二人が日本に来たら

きっと大騒ぎだろうな ・・・

 

 

 

 

 

<続きます>