君のいない迷路 180 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

助手席に座ってて

そこで電話をしてるだけなんだけど

相手がトニーだというだけで

心の中がざわついた上に

どす黒い感情に押しつぶされそうになる

それでも平静を保ちながら

車の運転に集中した

ゴールデンゲートブリッジの近くで

池田に運転を代わって貰おうと思う

 

「櫻井、ゲートブリッジ渡って

 近くの駐車場に車を停めて

 歩いて橋を見に行こう

 その後、運転代わるよ

 3人の中で一番寝てるの俺だから」

 

どうやら俺のどす黒い感情が

靄になって漏れていたらしい

いち早くそれを察知した池田の気遣いだ

 

「池田が良いなら頼むは」

 

「俺も運転できるよ

 いつでも代わるから言って」

 

内田まで手を挙げてくれた

(そんな分かりやすかったかな?)

 

「ごめん 疲れてるよね

 ゲートブリッジ、バスにすればよかった?」

 

さっきの会話では

そこまでトニーに対して

敵意を見せてはいないはず

 

機嫌が悪く見えたのか?

疲れて見えたのか?

定かではないけど

君に気を使わせてしまった

(俺って大人げないな)

 

「いいや、歩いて渡れないから

 車でOKだけど

 高いって聞いたから

 揺れるのが怖くて

 往復は無理かもしれない」

 

「構造上、橋は揺れるようになってるけど

 かなり長いからな ・・・

 帰りは任せろ!」

 

「滅多に経験できないから

 池田、向こうでじゃんけんな」

 

「それなら渡る前に

 内田に変わり

 帰りは俺で良いんじゃねえ?」

 

「それいい方法かも」

 

「俺と内田が前で

 大野と櫻井が後ろ

 ナビがあるから何とかなるよ」

 

「操作は任せて」

 

内田が自信ありげに宣った

 

そう言えば内田の車は

同じ車種だった ・・・

 

「この車内田の車と同じだよな」

 

「車種は同じだけど

 この車は俺の車の倍はする」

 

「そんな違うの?」

 

君が目をまん丸くして

唖然とした

 

アメリカでも有名な高級車だ

値段は言わずもがなだな ・・・

 

二人のお陰で

車内のムードは息を吹き返した

(沈んでたのは俺だけなんだけど)

 

「櫻井は知ってるよね

 通行料が掛かるって?」

 

「片道だけだよね」

 

「そう、9ドルちょっと掛かるよ

 通行料金はキャッシュレスに変わったから

 後でクレカ支払いだよ

 ノアたちに会ってから

 支払の仕方教えてもらって」

 

「自動でナンバーを読み取るんだ」

 

「そうだって

 先輩が言ってた」

 

先輩と二人で来たんだ

それを聞いてホッとしてる俺

 

「何時までに支払うの?」

 

ETCに慣れてるから

こっちの支払い方は

全く分からない

 

「確か48時間以内だったはず

 それをしないと

 とんでもない罰金が科せられるんだって

 先輩が蒼くなってたもん」

 

「櫻井、後で二人に聞こう

 罰金は大変だから」

 

内田が慌てた声で

『罰金はダメだよ』って

小さく呟いた

 

「そうだな」

 

こっちで生活をしているんだから

知り合いに頼らざるを得ないんだけど

どうしても

トニーに対しては ・・・

 

トニだけで良いのか?

もしかしたらノアもかも?

 

 

考えてたらどんどん不安になってきた

重症だな ・・・

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>