取り敢えず打ち破ろうか 259 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

即位の儀とは歴代の帝から

帝の資格が有るかを試される儀式

帝と認められた証として

蒼穹殿奥の間で

国の成り立ちからの記憶を受け取る

 

「そろそろ夜が明ける

 我らの理念を受け継いだ

 新たな帝の誕生の時

 57代帝の世に平和と繁栄を願い

 我らはここから見守り続ける」

 

我が一族の始祖となる帝の話の後

ゆっくりと扉が開くと

奥の間は眩い光に満たされ

何も見えなくなった

 

「今この時を持って

 私は君の中に帰るよ

 今までありがとう

 そして、これからも宜しく」

 

皇子の声が聴こえた瞬間

眩い光は収まり

奥の殿は薄闇と静寂に包まれた

前を向くと扉の向こうに画伯の姿が見えた

 

「帝、お帰りなさいませ

 どうぞこちらに」

 

真っすぐの俺の顔を見て頷く

そのまま奥の殿を出ると

ゆっくりと扉が閉じた

 

「画伯が閉めた?」

 

「俺は閉めてないよ

 この扉は人には開けられないんだ

 次代の真の帝が現れるまで

 固く閉ざされる」

 

扉を眺めながら

安堵の表情を浮かべる画伯

 

「次のって ・・・

 俺の次に就任する長でしょ?」

 

俺の力が無くなれば

長は代替わりする

 

「それは違うよ

 真の帝(長)の力を持った者でないと

 即位の儀は行わない

 俺が君を見極めた瞬間(とき)から

 本家は即位の儀の準備を始めた」 

 

「俺が蒼穹国の再興を考えなければ

 無駄になったって事?」

 

「その可能性もあったって事だな(笑)

 でも ・・・ この場所は

 見えない力に導かれてるから

 どんな経緯を辿るかは別として

 君の即位の儀は

 必ず執り行われた」

 

見極める者である俺が言うんだから

間違いはない

自信満々の顔でにやりと笑った

 

「見えない力か ・・・

 でも、それが皇子を救う唯一の方法だった

 そう考えたら納得できる」

 

画伯が人差し指を立てて左右に振りながら

 

「皇子だけじゃないよ

 君を救う唯一の方法でもあったんだ」

 

「確かにそうだ ・・・

 俺は皇子に救われたんだな

 そうだ、まだ言ってない

 『皇子、お帰りなさい』」

 

さっき「お帰りなさい」を言う前に

扉が開いたから言えなかった ・・・

だから声に出して伝えた

 

『ただいま』頭の中に皇子の声が聴こえた気がした

 

「俺からも皇子お帰りなさい

 では、帝の衣装に着替えて頂きます 

 のんびりしていられないよ

 陽が昇るとき扉が開きますから」

 

「それも画伯が開けないの?」

 

「今回だけは

 ここに住まう方々が開けてくださいます

 だから、ピッタリの時間に開きます

 間に合わないと洒落にならない」

 

帝冠を被る前に開いたら

顔がバッチリみられる

 

「映像撮ってるんだったよね」

 

「ああ、だから早くそれを脱ごうか」

 

画伯も少し焦ってるのか

石帯を解こうとしていた

 

 

 

長い夜が終わり

新しい蒼穹国誕生の時

 

 

 

 

 

 

<続きます>

 

 

『取り敢えず打ち破ろうか』

シリアス路線のお話も

そろそろ終わりが見えてきました

長かったねぇ(汗)

始まりは「パンツ履こうか」だったのに

いつの間にか超大作になってしまいました

まだ少し続きますので

お付き合いください

 

『やまの日祭りでぃ』についての質問に

沢山のコメントありがとうございました

大したことは出来ませんが

今年も『やまの日祭りでぃ』開催します

皆で楽しめたら良いな ・・・

沢山の花火が上がることを期待しています

詳細は後日

さとちからお知らせいたします

 

 

最後まで読んでくださり

ありがとうございます

 

暑さ厳しき折

皆様、ご自愛くださいませ

 

 

yayosato