君のいない迷路 123 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

美味しい蕎麦を食べて

空港に移動する

電車の窓から見える景色を眺めながら

二泊三日の弾丸旅行も

残すところあと僅かだと思うと少し寂しい

 

「えい!」と覚悟を決めて

飛行機のチケットとホテルを手配した

今までの僕からは考えられない行動力

『やればできるじゃん』と

自分を褒めて飛行機に乗った

着くまでは、ずっとソワソワしてて

3倍速くらいで時間が過ぎて欲しいと願い

今は超スローにして欲しいと思う

 

楽しい時間は3倍速だから ・・・

 

「何を考えてるの?」

 

右隣に座る彼が小さい声で聞く

 

「楽しい時間は

 車窓に流れる景色みたいだなって」

 

「うん、3倍速くらいで流れていく」

 

それを聞いた左隣の内田が

「俺は5倍速だな」

って寂しそうな顔をする

 

「確かに楽しい時間はあっという間だな」

彼の隣の池田君もしみじみと呟いた

 

「次の旅が決まってるんだから

 その日の為に頑張れるよ

 飛行機の手配は俺に任せておいて」

 

「何時の便にするか決めたの?」

 

「ああ、22時55分の便で

 向こうにはその日の16時半に着く

 だから、仕事が終わったら

 そのまま品川で合流して羽田に行く」

 

いつの間に決またんだろう?

間に合うのかな?

 

「9時に羽田って無理じゃない?」

 

思わず聞いてしまった

 

「無理かな?」

 

首を傾げるけど

会社から駅に行く時間も必要だし ・・・

 

「無理だよ

 6時の新幹線に乗っても

 羽田まで2時間以上は掛かるだろ?」

 

「そうだよな ・・・

 9時だろ ・・・」

 

二人とも困惑気味で考え始める

 

「遅くても6時30分までに

 新幹線に乗れば

 ぎりぎりで間に合う」

 

確かに9時前には着ける ・・・

かなりハードだけど ・・・

 

 

「大変なのは分かってるんだけど

 サンフランシスコの直行便は

 羽田も成田も夕方からの便なんだ」

 

「翌日の夕方?」

 

「うん」

 

「丸っと一日ぼんやりするんだ

 それって損した気分

 じゃあ、頑張って『ベルさっさ』するよ」

 

彼と池田君がキョトンとした顔をした

 

『ベルさっさ』は造語

終業のベルがなったら帰るから

省略して使う

あまり浸透していないけど

 

「終業のベルトともに

 さっさと帰るって意味だよ」

 

伝えると二人が納得した顔で笑った

 

「じゃあ、俺もベルさっさするよ」

 

池田君がくすくす笑いながら言った

 

「指折り数えて待つのも楽しいよな」

 

僕もそうだった ・・・

ワクワクして眠れなかった

そのせいでフライト中に寝たけど(笑)

 

「遊びの計画って言うのは楽しい

 智も楽しみに待ってて」

 

「うん、待ってる!」

 

この会話には入れてることで

自分も一緒に旅をすると思える

3人に気遣いに胸が熱くなった

 

 

二泊三日 ・・・

僕にはちょうどいい日程だったと思う

それ以上居たら

帰りたくないと思ってしまう ・・・

 

彼も内田も池田君も

突然、来たのに

一緒に観光してくれて

本当に感謝してるよ

楽しい東京の旅

笑って手を振って帰れる

 

 

 

 

 

 

<続きます>