君のいない迷路 96 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

日比谷公園を散策し

開園当初からある洋食レストランに向かった

 

そのお店は樹齢500年の大銀杏の傍に佇む洋館で

森のレストランとも呼ばれているらしい

1903年創業だから120年の老舗洋食屋さんだ

日比谷公園には何度も来たことは有るけど

このお店には来たことはない

(公演は広いから)

 

「ここって ・・・ 

 ドレスコードとかある?」

 

佇まいからして格調高そうな店

池田が心配するのも分かる

 

「そうなの?」

 

君と内田も自分の身なりを確認して

不安げな表情で俺を見る

 

「ちょっと待って調べるよ」

 

君の爆弾発言から

ポンコツになってしまった俺

いつもなら移動中にリサーチするのに

そこまで頭が回らなかった

(焦り過ぎだよな)

 

「二階のフレンチレストランはある

 5時からだから

 今は開いてない

 一階のレストランなら大丈夫だな

 テイータイムは5時まで」

 

微妙な時間ではある ・・・

 

4人ともTシャツ、短パン姿ではないし

靴も履いてるから

どちらも入れると言えば入れるが

やはり2階は場違いな気もする

 

 

「別にここじゃなくていいよ

 外観は見れたし ・・・

 入るならもう少し気楽な所が良い」

 

君が遠慮してる気がして

そこは希望を叶えてあげたい

 

「創業当時の建物内に

 入りたいんじゃない?」

 

「ううん、ここに有ること分かったから

 また別の機会に4人で来たらいいじゃん

 もっとラフなお店が良い」

 

「うん、俺もラフな店が良いな」

 

「俺も賛成

 そろそろラフな店に入りたい」

 

池田もそれに賛成した

俺もその方が気が楽でいい

 

「俺もその方が良い」

 

「じゃあ、さっき通った

 ガーデンテラスにしない?

 あそこならのんびりビールが飲めるだろ」

 

池田が勧めた店なら

行ったことが有る

創業はかなり古いけれど

そこまで堅苦しい店ではなく

ビアガーデンに近い

 

「ガーデンテラスか ・・・

 木陰で飲むビールは最高だから

 そこにしよう」

 

全員一致で店は決まり

少し離れてるので

ゆっくり歩き始める

 

「櫻井、飲みすぎないでよ」

 

僕の隣に並んだ君が釘を刺した

 

「これだけ暑いと飲みたいよ」

 

君の交友関係が気になって

平静を装うのは大変難しい状況

ここはビールを飲んで落ち着かないと

 

「飲むのは良いけど

 朝のことが有るから

 ほどほどにしてよ」

 

「大丈夫、すっかり酒は抜けてるし

 水分補給は大事だからさ」

 

朝は二日酔いではない!

そこは理解してくれてるはずなのに ・・・

かなり心配かけたからな ・・・

 

「ビールは水分補給にはならないよ

 そこは水とか炭酸水(笑)」

 

「店に入って水はダメだよ

 やっぱり泡の出る飲み物が ・・・」

 

「ノンアルもあるよ」

 

くすくす笑いながら勧めてくる

ちょっと意地悪じゃない?

 

「ビールの種類が豊富で

 飲み比べとかできそうだからさ

 それにツマミと一緒に飲めば

 悪酔いはしないよ」

 

悪酔いする要素は有るけど

君が横にいてくれるなら

大丈夫な気もする

 

「大野、少しくらいは飲ませてやって

 今日の功労者は此奴だからさ」

 

池田が後ろから

俺と君の肩を両手で覆った

 

俺の肩は良いけど

君の肩はダメ

その手を振りほどいて

 

「池田、暑いって」と声をあげる

「あら、機嫌が悪いわねえ」と

オネエ言葉で揶揄う始末

 

「やっぱり炭酸水で良いよ」

君の顔を見てにやりと笑う

 

「櫻井だけ炭酸水な」

 

内田まで同調し始めるから

始末に悪い

 

絶対に飲んでやるビール

 

酔ったらもうちょっと

トニーの情報を引き出せそうな気がする

 

「酔ったら置いていくからね」

 

君から再度キツイ一言

でも、飲むのはOKを貰った

(朝の件で信用がた落ちだ)

 

「それは御勘弁を ・・・」

 

泣きまねをしながら答えると

3人が声を立てて笑ってくれる

 

なんだかんだと

この4人の居心地は最高

此処に誰かが入るのは

やっぱり嫌だな ・・・

 

きっと内田もそう思ったんだろうな ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>